2026年5月30日(晴れ)
ブドウ栽培では「雨よけがあるから病気は少ない」と思いがちですが、実際に育てていると完全には防ぎきれない場面があります。

今回、5月20日ごろからヌーベルローズの葉に異変が見られました。
最初は、
「微量要素不足かな?」
と思いながら様子を見ていました。
しかし、その後の症状の変化から、栄養不足ではなく病害の可能性が高いと判断しました。
今回は、葉の異変に気づいてから防除内容を見直し、薬剤散布を行うまでの流れを記録としてまとめます。
※うちベジの栽培している品種紹介はこちらから
【ぶどう栽培のはじまり】|子どもの頃の夢から始まったおうちぶどう栽培
※うちベジでの年間防除スケジュールはこちらから
家庭菜園ブドウの防除暦|初心者でもできる年間病害虫対策
雨よけ栽培でも発病した場所

今回症状が出たのは雨よけ下のブドウです。
基本的には雨を避けられる環境ですが、問題は雨よけの境目でした。
横殴りの雨や地面からの跳ね返りによって、一部の葉が濡れる環境になっていたと考えています。
そのため、屋根があるから安心というわけではなく、雨の侵入経路や風向きまで考えて管理する必要があると改めて感じました。
※前回、べと病らしき症状が見られたのも雨が当たりやすい場所でした。今回の症状との因果関係は分かりませんが、雨の吹き込みや跳ね返りによる葉濡れは、病害発生リスクを高める要因の一つだと感じています。改めて、ブドウは雨に弱い作物だということを実感しました。
家庭菜園のブドウ防除|オーソサイド水和剤80の使い方と800倍希釈・べと病対策を解説
最初は微量要素不足を疑った

異変に気づいたのは葉の色でした。
1週間ほど前から、
・葉の一部分だけ色が薄い
・葉脈周辺の緑色が抜ける
・葉色が不均一になる
といった症状が見え始めました。
この時点では、
・苦土不足
・マグネシウム不足
・微量要素欠乏
などを疑っていました。
若木や生育が旺盛な時期には、一時的に葉色が抜けることもあります。
また、ジベレリン処理前後は樹のエネルギー消耗も大きく、栄養バランスが崩れやすい時期でもあります。
そのため、すぐに病気と決めつけず経過観察を選択しました。
ただ、この時点で少し気になっていたのは、
👉 症状が局所的だったこと
です。
栄養不足の場合は比較的広範囲に似た症状が出ることが多い印象があります。
しかし今回は、一部の葉だけに集中していました。
症状が進み病害を疑うように

数日後、症状に変化が現れました。
葉に、
・丸い斑点
・黒っぽい変色
・穴あき症状
が出始めたのです。
ここで、
「これは栄養不足ではない」
と判断しました。
特に穴が開き始めたことで、病斑部分が枯れ込み、組織が抜け落ちている状態だと考えました。
この時期のブドウで考えられる病害としては、
・褐斑病
・黒とう病
が候補に挙がりました。
もちろん確定診断ではありません。
ただ、症状の特徴や発病環境を考えると、この2つの可能性が高いと感じています。
サンボルドー散布前に感染していた可能性

5月16日に予防防除としてサンボルドーを散布していました。
しかし発病時期を振り返ると、散布前にはすでに感染していた可能性があります。
保護殺菌剤は病原菌が侵入する前に植物を守ることが基本です。
そのため、感染後では十分な効果を発揮できない場合があります。
今回も、
・雨による葉濡れ
・高湿度環境
が先にあり、その後に症状が表面化したように見えました。
病害は、
「散布したのに発病した」
のではなく、
「散布前に感染していた」
というケースも少なくないと感じています。
今回の症状は5月20日ごろから確認できました。
発病時期や症状の特徴を考えると、褐斑病または黒とう病の可能性を疑っています。
※サンボルドーを散布したときの記事はこちらから
家庭菜園のブドウ防除|サンボルドーの使い方と600倍希釈・散布方法を解説
防除スケジュールを見直すことにした
今回の症状を受けて、防除スケジュールを見直しました。
改めて感じたのは、
👉 予防だけでは対応しきれない場面もある
ということです。
もちろん基本は予防防除です。
しかし、
・長雨
・高湿度
・局所的な葉濡れ
・雨の吹き込み
など、想定外の条件が重なることもあります。
そこで今回は、浸透移行性を持つ薬剤への切り替えを判断しました。
オンリーワンフロアブルを散布

今回使用したのはオンリーワンフロアブルです。
浸透移行性を持つ殺菌剤で、病害の進展を抑えることを目的に散布しました。
もちろん、発病後に葉が完全に回復するわけではありません。
そのため今回は、
・病斑の拡大抑制
・健全葉の保護
・二次感染の抑制
を目的として散布しています。
病害管理では、
👉 今ある症状だけを見るのではなく、これ以上広げない
という視点も重要だと感じています。
希釈倍率と作り方|2000倍希釈で作成
今回は2000倍希釈で、合計4Lの薬液を作成しました。
基本の希釈量は、
水2Lに対してオンリーワンフロアブル1ml
となっています。
展着剤「ダイン」を併用
今回は展着剤としてダインも加用しました。
展着剤には、
・葉への付着性向上
・散布ムラの軽減
・雨による流亡軽減
といった役割があります。
オンリーワンフロアブルはフロアブル剤のため、通常は展着剤を加用しなくても十分な効果が期待できます。
ただし今回は、梅雨入りを控え、黒とう病やべと病の発生リスクが高まる時期であることから、付着性向上を目的としてごく少量加用しました。
実際の作り方(2Lの場合)

今回実際に行った手順です。

① 水を2L入れる
最初に容器へ水を入れます。
薬剤を先に入れるとうまく混ざらないことがあるため、基本的には
「水 → 展着剤 → 薬剤」
の順で入れています。

② ダインをごく少量加える
今回は付着性向上を目的として、ごく少量加用しました。

③ 軽く攪拌する
展着剤が均一になるよう軽く混ぜます。

④ オンリーワンフロアブル1mlを投入
シリンジを使用して計量しました。

⑤ さらにしっかり攪拌する
薬液が均一になるよう十分に混ぜます。

⑥ 蓄圧式噴霧器へ移す
これで準備完了です。
今回は蓄圧式噴霧器を使用しました。
家庭菜園では取り回しがしやすく、少量散布にも向いていると感じています。
散布時のポイント|ここで効果が変わる
オンリーワンフロアブルは浸透移行性を持つ薬剤です。
葉の表面に付着して病原菌を防ぐだけでなく、植物体内にも取り込まれるため、感染初期の病害進展抑制効果も期待できます。
ただし、浸透移行性があるからといって雑に散布してよいわけではありません。
薬液が十分付着して初めて本来の効果が期待できます。
散布量の目安

目安としては、
👉 「葉全体がしっかり濡れ、滴る直前まで散布する」
ことを意識しています。
軽く表面を濡らすだけでは、防除効果が不十分になることがあります。

特に葉裏は薬液が付きにくいため、意識して散布するようにしています。
※散布方法は他の薬剤と同じ方法で実施しています。
ベンレート水和剤の使い方|ブドウに500倍で散布した効果と注意点
家庭菜園のブドウ防除|オーソサイド水和剤80の使い方と800倍希釈・べと病対策を解説
家庭菜園のブドウ防除|サンボルドーの使い方と600倍希釈・散布方法を解説
散布条件にも注意
今回は次の条件を意識して散布しました。
・風が弱い時間帯
・朝の涼しい時間帯
・半日以上雨が降らない予報
特に重要なのが散布後の天候です。
薬液が乾く前に雨が降ると流亡し、防除効果が低下する可能性があります。
そのため、防除作業では天気予報を重視しています。
防除時の安全対策
家庭菜園でも安全対策は重要です。
少量散布だから大丈夫と思いがちですが、薬剤を扱う以上は基本的な防護を行っています。
今回も、
・長袖
・長ズボン
・マスク
・手袋
を着用して散布しました。
また散布後には、
・手洗い
・うがい
・衣類交換
も行っています。
家庭菜園だからこそ、無理なく長く続けるための安全管理が大切だと思います。
散布後の管理も重要
防除は散布して終わりではありません。
使用後は、
・噴霧器をしっかり洗浄する
・容器内部に薬剤を残さない
・ノズル詰まりを防ぐ
・清潔な状態で保管する
ことも重要です。
機材を長く使うためにも、使用後のメンテナンスは欠かさないようにしています。
今後の防除方針

今回、病害が発生したため当初の防除スケジュールを組み換え、オンリーワンフロアブルを使用しました。次回は同じ薬剤ばかり使わないようジマンダイセンやベトファイターを使用する予定です。
理由は、
・耐性菌の発生防止
・防除効果の維持
のためです。
同じ系統の薬剤を連続使用すると、薬剤が効きにくくなる可能性があります。
そのため、
・銅剤
・保護殺菌剤
・浸透移行性殺菌剤
を状況に応じて使い分けながら、防除を継続していきたいと思っています。
病害管理の難しさを改めて感じた

今回改めて感じたのは、
「症状が見えた時には、すでに感染が進んでいることがある」
ということです。
葉の異変は、
・栄養不足
・薬害
・生理障害
・病害
の区別が難しく、初期症状だけでは判断できないことも少なくありません。
そのため、
・発病場所
・天候
・湿度
・葉濡れ時間
・症状の広がり方
を総合的に見ながら判断する必要があると感じています。
まとめ
今回、雨よけ栽培でも病害と思われる症状が発生しました。
原因は断定できませんが、
・雨の跳ね返り
・雨の吹き込み
・長時間の葉濡れ
などが影響している可能性があります。
最初は微量要素不足を疑いましたが、
・局所的な発生
・丸い病斑
・穴あき症状
が見られたことから、病害の可能性が高いと判断しました。
また、前回サンボルドーを散布していたものの、感染タイミングはそれ以前だった可能性があります。
今回は防除内容を見直し、オンリーワンフロアブルによる防除を実施しました。
ブドウ栽培では、
「雨よけがあるから病気は出ない」
わけではありません。
特にこの時期は、
👉 雨量
👉 湿度
👉 葉濡れ時間
を意識しながら管理していきたいと思います。
次回は6月10日前後でジマンダイセン水和剤を散布する予定です。
※ぶどうの年間スケジュールはこちらから
家庭菜園ブドウの防除暦|初心者でもできる年間病害虫対策

