家庭菜園のブドウ防除|サンボルドーの使い方と600倍希釈・散布方法を解説

2026年5月16日(晴れ)

来週中盤以降、天候が崩れる日が続きそうなので、本日はブドウの防除を行いました。

5月の防除は当初、サンボルドー→オーソサイド水和剤の順番で散布する予定でしたが、栽培中のブドウで「ベト病」と思われる病害が確認されたため、予定を変更して先にオーソサイド水和剤を散布しています。

年間防除スケジュールはあくまで基本の流れであり、実際にはその年の気候や病害の発生状況、樹の状態を見ながら柔軟に対応することが重要だと感じています。

特に5月は、気温・湿度ともに上昇し始め、病害が一気に増えやすい時期です。ブドウ栽培においても、この時期の管理が後半の栽培を大きく左右すると感じています。

今回は、家庭菜園でも扱いやすい「サンボルドー」を使用した防除について、実際の希釈方法や散布時に意識したことをまとめていきます。

※うちベジでの年間防除スケジュールはこちらから
家庭菜園ブドウの防除暦|初心者でもできる年間病害虫対策

※オーソサイド散布関連記事はこちらから
家庭菜園のブドウ防除|オーソサイド水和剤80の使い方と800倍希釈・べと病対策を解説

現在のブドウの状態

5月2日にオーソサイド水和剤を散布してから、「ベト病」と思われる病害は再発しておらず、現在は比較的良好な状態を維持しています。

新梢の管理については、葉を7〜11枚程度残した位置で摘心を行い、その後は副梢を1〜2芽残して繰り返し摘心しています。

この時期は枝の伸びが非常に旺盛で、数日見ないだけでもかなり伸びていることがあります。

また、花穂の開花状況にも品種差が出てきました。

・シャインマスカット

ほぼ満開になってきましたが、一部まだ開花していない状態です。

・クイーンセブン

→ 未開花は残っていないようです。軽く触って、おしべがなかなか落ちない状態です。

・ヌーベルローズ

→ 開花が始まり、5分咲きくらいです。

BKシードレス

→ ようやく開花が始まった段階。花冠がまだしっかりついています。

今回使用した薬剤|サンボルドーとは?

今回使用したのは、サンボルドーです。

サンボルドーは、塩基性塩化銅を主成分とした保護殺菌剤で、昔から使われている銅剤系の薬剤になります。

家庭菜園向けとしても比較的入手しやすく、ホームセンターや通販などでも見かけることが多い薬剤です。

特徴としては、

・天然成分由来の銅を主成分としている
・各種病原菌に対して予防効果を発揮
・べと病など湿気で発生しやすい病害に有効
・効果の持続期間が比較的長い
・粒子が細かく噴霧器が詰まりにくい
・有機JAS規格でも使用可能

といった点があります。

ブドウでは「べと病」の登録がありますが、実際にはさまざまな病原菌に対して予防的な役割を期待して使われることも多い薬剤です。

また、総使用回数に制限がないという点も、家庭栽培では扱いやすいポイントだと思います。

開花前後など、薬剤選択が難しくなる時期でも使用しやすく、予防を重視した管理に組み込みやすい薬剤です。

サンボルドーを選んだ理由

今回サンボルドーを選んだ理由は、大きく分けると3つあります。

1.予防効果を重視

現在は病害が落ち着いていますが、来週中盤以降、天候が崩れる日が続く予報となっています。

ブドウ栽培では、

・雨
・湿度
・気温上昇

この3つが揃うと、病害が一気に発生しやすくなります。

特にべと病は、雨による葉の濡れが発生条件になるため、降雨前の予防散布がかなり重要になります。

今回は「治療」ではなく、これ以上病気を出さないための予防を目的として散布しました。

2.家庭菜園で使いやすい容量

サンボルドーは2g×10袋入りで販売されており、家庭栽培にちょうど使いやすい容量になっています。

大容量の農薬だと、

・値段が高い
・有効期限内に使い切れない
・保管に困る

といった問題があります。

その点、サンボルドーは少量パックなので扱いやすく、必要な分だけ使えるのが便利です。

価格も600円前後と比較的手頃で、家庭菜園では導入しやすい薬剤だと思います。

3.散布回数制限を気にしなくてよい

ブドウ栽培では、薬剤によって使用回数や使用時期に制限があります。

しかしサンボルドーは、総使用回数に制限がないため、ローテーションの中に組み込みやすいのが特徴です。

ただし注意点もあります。

銅剤系は連続使用すると、葉の縁が黄化する、葉が硬くなるといった薬害が出ることもあるため、同じ薬剤ばかりに偏らないよう注意が必要です。

重要ポイント|サンボルドーは“治療剤”ではない

ここはかなり重要なので、はっきり書いておきます。

サンボルドーは、病気を治す薬ではありません。

分類としては「保護殺菌剤」であり、

・これ以上病気を広げない
・未感染部分を守る
・菌が侵入しにくい状態を作る

という役割になります。

つまり、

👉 病気が出てから使うより、出る前に使うことが重要

というタイプの薬剤です。

家庭菜園では「病気が出てから薬を使う」というイメージを持ちやすいですが、ブドウ栽培では予防散布の考え方が非常に重要だと感じています。

特にべと病は、一度広がると葉がどんどん傷み、樹勢低下にもつながるため、初期対応がかなり大切です。

希釈倍率と作り方|600倍希釈で作成

今回は600倍希釈で、合計3.6Lの薬液を作成しました。

基本の希釈量は、

水1.2Lに対してサンボルドー2g(1袋)

となっています。

家庭菜園では大型の動噴を使わないケースが多いため、1〜4L程度で作れる薬剤は非常に扱いやすいです。

今回は展着剤として、ダインも併用しています。

展着剤には、葉への付着性向上、散布ムラ軽減、雨に流されにくくするといった役割があります。

特にブドウの葉は水を弾きやすいため、展着剤を入れるかどうかで薬液の乗り方がかなり変わります。

実際、葉を見ていても、水だけだと弾いて流れてしまうことが多いです。

そのため、防除効果を安定させるためにも、展着剤はかなり重要だと感じています。

実際の作り方(1.2Lの場合)

今回実際に行った手順です。
準備するものは、

・サンボルドー
・ダイン(展着剤)
・計量カップ
・シリンジ
・蓄圧式噴霧器

今回は600倍の散布液を作るので、サンボルドー2g(1袋)に対して、水を1.2L準備します。

① 水を1.2L入れる

最初に容器へ水を入れます。

いきなり薬剤を先に入れると、うまく混ざらないことがあるため、基本は「水→展着剤→薬剤」の順番で入れています。

② ダインを数滴加える

ダインは500倍程度が目安なので、1.2Lなら数滴程度で十分です。

今回は約3滴ほど加えました。

③ よく混ぜる

展着剤が均一になるよう、軽く攪拌します。

サンボルドーは青と灰色を混ぜたような色をしています。

④ サンボルドー2gを投入

1袋そのまま投入しました。

粉剤なので、風が強い日は飛散に注意が必要です。

⑤ さらにしっかり攪拌

薬液が均一になるよう、しっかり混ぜます。

銅剤は沈殿しやすいため、散布中も時々振って攪拌するようにしています。

⑥ 蓄圧式噴霧器へ移す

これで準備完了です。

今回は蓄圧式噴霧器を使用しました。

家庭菜園ではこのタイプが取り回ししやすく、少量散布にも向いていると思います。

散布時のポイント|ここで効果が変わる

サンボルドーは浸透移行性を持たない薬剤です。

つまり、

👉 「かかった場所だけを守る」

というタイプになります。

逆に言えば、散布ムラがあると、その部分は普通に病気が発生します。

そのため、散布時はかなり丁寧に行いました。

意識したポイント

・葉裏までしっかり散布
・枝の裏側も忘れない
・雨が当たりやすい場所を重点散布
・前回病害が出た周辺を重点管理

ブドウは葉が重なりやすく、表面だけ散布しても裏側に薬液が届いていないことがあります。

特にべと病は葉裏側に病斑が出やすいため、葉裏散布はかなり重要です。

散布量の目安としては、

👉 「滴る直前までしっかり濡らす」

くらいを意識しています。

軽く表面を濡らす程度では、防除効果が不十分になることがあります。

特に保護殺菌剤は、葉全体を薬剤で覆うイメージが大切だと思います。

前回から蓄圧噴霧器のノズルを2頭口ノズルへ変更しています。

実際に使ってみると、

  • 散布スピードが上がる
  • 薬液が均一にかかりやすい
  • 作業時間を短縮できる

といったメリットを強く感じています。

特にブドウは葉枚数が増えてくると散布範囲も広くなり、通常ノズルではどうしても時間がかかります。2頭口ノズルに変更したことで、一度に広範囲へ散布できるようになり、防除作業はかなり楽になりました。

※前回作業したオーソサイド散布の記事はこちらから
家庭菜園のブドウ防除|オーソサイド水和剤80の使い方と800倍希釈・べと病対策を解説

ただ、実際に使ってみて気を付けなければならない点も見えてきました。

それが、

👉 ノズルで枝や果穂を引っかけてしまうこと

です。

特に葉が混み合ってくる時期は、葉の裏へしっかり散布しようとしてノズルを奥へ入れる場面が増えます。しかしその状態だと、葉に隠れてノズル先端が見えなくなることも多く、気付かないうちに果穂や新梢へ引っかかっていることがあります。

そのまま無理にノズルを戻してしまうと、

  • 枝折れ
  • 果穂損傷
  • 軸傷み

につながることがあります。

特に開花期〜着粒初期は軸もまだ柔らかく、少し引っかかっただけでも傷みやすい印象があります。

そのため最近は、

👉 ノズルを戻すときに少しでも違和感があれば、一度先端を確認する

ことをかなり意識するようになりました。

防除は病気を防ぐための重要な作業ですが、その作業自体で枝や果穂を傷めてしまっては本末転倒です。

散布効率を上げつつも、“ぶどうを傷めない動かし方”を覚えていくことも大切だと感じています。

散布条件にも注意

今回は以下の条件を意識しました。

・風が弱い
・朝の涼しい時間帯
・半日以上雨が降らない予報

特に重要なのは「散布後の雨」です。

サンボルドーは耐雨性がある程度ありますが、乾く前に雨が降ると流れてしまいます。

つまり、

👉 散布直後の雨=効果低下

につながります。

そのため、防除では天気予報をかなり重視しています。

防除時の安全対策

家庭菜園でも、安全対策はかなり重要です。

少量散布だから大丈夫と思いがちですが、薬剤を扱う以上は基本的な防護をしたほうが安心です。

今回も、

・長袖
・長ズボン
・マスク
・手袋

を着用して散布しました。

さらに散布後は、

・手洗い
・うがい
・衣類交換

も行っています。

家庭菜園だからこそ、無理なく長く続けるためにも安全管理は大切だと思います。

散布後の管理も重要

防除は、散布して終わりではありません。

使用後は、

・噴霧器をしっかり洗浄
・容器内部に薬剤を残さない
・ノズル詰まりを防ぐ
・清潔に保管する

ことも重要になります。

特に銅剤は残留すると機材トラブルにつながることもあるため、使用後はしっかり洗っています。

今後の防除方針|薬剤ローテーションを意識

今回サンボルドーを使用しましたが、今後は同じ薬剤ばかり使わないよう、ローテーションを意識していく予定です。

理由は非常にシンプルで、

・耐性菌の発生防止
・防除効果維持

のためです。

同じ系統を連続使用すると、薬剤が効きにくくなる可能性があります。

そのため、

・銅剤
・保護殺菌剤
・浸透移行性薬剤

などを状況に応じて使い分けながら、防除を継続していきたいと思っています。

※うちベジの2026年防除スケジュールはこちらから
家庭菜園ブドウの防除暦|初心者でもできる年間病害虫対策

まとめ|5月の防除は“勝負どころ”

5月のブドウ栽培は、病害管理の意味でも非常に重要な時期だと感じています。

今回は病害発生を受けて、防除スケジュールを変更しながら対応しました。

基本は年間スケジュールを軸にしつつも、

・天候
・病害発生状況
・樹勢
・品種ごとの生育差

などを見ながら、柔軟に判断していく必要があると思います。

これからは、

・雨
・高温
・多湿

という病害が発生しやすい条件が揃っていきます。

だからこそ、

👉 「病気が出てから動く」のではなく

👉 「病気を出さない管理」

を意識しながら、今後もブドウ栽培を続けていきたいと思います。

次回は、今年取り入れたアグレプト液剤処理後の、

👉 ジベレリン+フルメット加用処理

について、実際のタイミングや処理方法も含めてまとめていきたいと思います。

※1回目の果穂整形に関する記事はこちらから
1回目の果穂整形|家庭菜園で試している整形と長さの目安

※うちベジで栽培している品種はこちらで確認ができます。
【ぶどう栽培のはじまり】|子どもの頃の夢から始まったおうちぶどう栽培

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