
ぶどう栽培の中でも、開花〜ジベレリン処理期は房作りを大きく左右する重要な時期です。
この時期は、
- 花穂整形
- 開花管理
- ジベレリン処理
- 着粒確認
- 房選び
など、作業が一気に増えていきます。
自分もまだ栽培経験は浅く、ぶどう栽培3年目、実がついたのは昨年からですが、実際に育ててみると品種によってかなり特徴が違うことを感じています。
現在育てている、
- シャインマスカット
- BKシードレス
- クイーンセブン
- ヌーベルローズ
今回は、1回目ジベレリン処理後の着粒確認と房選びについて、今年感じていることをまとめていきたいと思います。
※うちベジで栽培しているブドウ品種の紹介はこちらから
【ぶどう栽培のはじまり】|子どもの頃の夢から始まったおうちぶどう栽培
“花ふるい”について
実際に育てて感じるのは、
👉 品種ごとに着粒の癖がかなり違う
ということです。
特にBKシードレスは、
👉 花ふるいしやすい印象
があります。

開花前には、
「少し多いかな?」
くらいに見えていても、結実後にはかなり自然整理されていることがあります。
逆にシャインマスカット、ヌーベルローズは、比較的着粒しやすく感じています。
クイーンセブンは花ふるいしやすい品種であると聞いたことがありますが、今のところ花ふるいは起こしていない印象です。ただ、鉢植え2年目の若木のため、果穂は3つしか付いていないので、あまり参考にはなりません。
もちろん天候や樹勢にも左右されますが、BKシードレスほど極端に花ふるいする印象は今のところありません。
👉 「品種ごとの特徴を知る」
ことの大切さを実感しています。
※うちベジでは花ふるいをおさえるため、芽かきや摘心処理を徹底的に行っています。
方針などはこちらの記事で紹介しています。
ぶどうの芽かき時期とやり方|4年目の初心者が意識しているポイント
ブドウの開花期の摘心方法|タイミングと葉の枚数の目安を家庭菜園目線で解説
花穂整形の注意点

昨年は、
「栽培本に書いてあるから3cmで果穂整形すればOK」
とか、
「摘粒作業を減らすため、最初から小さめに整形しよう」
とか、
「1新梢1果穂で養分を無駄にしない。2果穂あるときは1果穂にする」
という考え方をしていました。

ですが実際には、それをやりすぎると着粒不足になりやすいことがありました。
特にBKシードレスでは、果穂整形時は立派な果穂であったとしても、開花後に激しい花ふるいに襲われて、粒数不足によるボリューム不足になる可能性があります。
実際、上の写真の房では最終的に一粒も残りませんでした。
開花前の段階では、
「むしろ少し多いかな?」
と思うくらいだったため、最初はかなり驚きました。
ぶどう栽培では栽培本通りに管理していても、実際には、
- 樹勢
- 天候
- 気温
- 水分状態
- 樹齢
などによって結果が大きく変わることを実感しています。
そのため今年は、
👉 明らかに不要な房以外は、少し多めに残しておく
方針で進めています。
これはBKシードレスだけでなく、他品種でも開花期の状態を見ながら調整するようにしています。
もちろん残しすぎれば、
- 果粒肥大不足
- 糖度不足
- 果皮の着色不足
などにつながる可能性があります。
特に家庭栽培では樹勢とのバランスが崩れやすいため、
👉 「残しすぎれば良い」
という単純な話でもありません。
ただ、自分の環境では開花後にある程度自然整理されることを考えると、
👉 「最初から完成形を作りすぎない」
方が、結果的にちょうど良い房になりやすいと感じています。
特に花ふるいしやすい品種では、
👉 “後で減ることを前提に考える”
くらいの感覚の方が、自分には合っているように感じています。
※果穂整形は時期を少しずらして、2回実施しています。関連記事はこちらから。
1回目の果穂整形|家庭菜園で試している整形と長さの目安
2回目の果穂整形|うちベジぶどうを“房尻4cm”で管理する理由
花ふるいのメリット
ぶどう栽培では「花ふるい=失敗」のように感じることもあります。
ですが実際には、
👉 花ふるいによって助かる部分
もあります。
それが、
摘粒作業の軽減
です。
摘粒はぶどう栽培の中でもかなり時間がかかる作業です。
- 混み合い
- 小粒
- 奇形粒
- 密着部分
などを一粒ずつ整理していくため、房数が増えると作業量もかなり増えます。


ですがBKシードレスでは特に、開花〜結実の段階で自然整理されやすいため、
👉 「省力的に栽培可能な品種」
として有名です。

BKシードレスは、ジベレリン100ppmの1回処理で十分な果粒肥大が確保できることや、自然に適正な着粒数となりやすいため、摘粒作業を省略できるといったメリットがあります。
※うちベジではジベレリン25ppm2回処理で実施しています。関連記事はこちらから。
1回目ジベレリン処理|アグレプト液剤処理後にフルメット加用で完全種無しを目指す
実際に育ててみても、
- 花ふるい
- 自然整理
- 粒間確保
がうまく働くことで、
👉 「思ったより手が掛からない」
と感じる場面が多くありました。
上の写真の房も、果穂整形後、ほぼ摘粒作業を行っていませんが、しっかりブドウらしい形に仕上がっています。
もちろん全ての房が理想形になるわけではありません。
ただ、
- 最初の花ふるいを加味して果穂を少し多めに残す
- 着粒確認後に不要な果穂を落とす
- 房形の良いものを選んで残す
という流れで管理していくことで、比較的まとまりやすい品種だと感じています。
特に家庭栽培では、
👉 「摘粒作業が大変そう」
というイメージを持つ方も多いと思います。
ですがBKシードレスは、自然に粒数が整理されやすいため、
👉 “初心者でも比較的形になりやすい品種”
という印象があります。
もちろん、
- 樹勢
- 着房数
- 天候
- 開花期の気温
などによって結果は変わりますが、今のところは、
👉 「花ふるいも特徴として利用する」
くらいの感覚で管理する方が、自分には合っているように感じています。
ジベ処理後の着粒確認
開花後は、1回目ジベレリン処理の時期に入ります。
この頃になると、
- 花ふるい具合
- 着粒量
- 房密度
- 粒間
などがある程度見えてきます。
※1回目ジベレリン処理を行った際の記事はこちらから
1回目ジベレリン処理|アグレプト液剤処理後にフルメット加用で完全種無しを目指す
この“着粒確認”はかなり重要だと感じています。
特にBKシードレスでは、
👉 「思った通り花ふるいを起こした」
と感じました。
昨年の経験を踏まえ、今年は最初から房を多めに残していたため、ある程度予想通りの流れになっています。

上の写真は、デコピンでほぼ果粒が脱落した房です。
観察していると、特に脱落しやすい果穂は、
👉 枝が細いもの(鉛筆くらいの太さ)
に多い傾向があるように感じました。
ただ一方で、枝が太く立派な果穂であっても、激しく花ふるいを起こしている房も見られました。
そのため、
👉 「見た目が良い果穂=安心」
というわけでもなく、実際に花が咲いて着粒するまでは分からない部分が大きいと感じています。
昨年は、開花前の見た目だけで果穂選択を進めていましたが、今年はその反省を踏まえ、
👉 花が咲くまでは果穂選択を急ぎすぎない
ことを意識しました。
もちろん環境条件もあると思いますが、
- 枝の勢い
- 軸の太さ
- 樹勢バランス
などが着粒に大きく影響している印象があります。

逆にシャインマスカット、ヌーベルローズ、クイーンセブンでは、
👉 「かなり残ったな」
と感じています。
今のところ、大きく花ふるいを起こして不恰好になりそうな房は特に見受けられませんでした。
房選びは“着粒後”が重要
着粒確認後は、房選びに入っていきます。
最初は、
「せっかく付いた房を落とすのはもったいない」
と感じていました。
ですが最近は、
👉 “良い房を残すために落とす”
という考え方が少しずつ分かってきた気がします。
実際、この時期になると、
- 良い房
- 弱い房
- 着粒不足の房
がかなり分かりやすくなってきます。

開花前には良さそうに見えていた房でも、着粒後に見ると、
- 粒数不足
- 軸だけ長い
- 軸が細い
- 不恰好な房形
になっていることがあります。

このような房は、このまま育てても房形が整いにくいため、思い切って果穂をカットしました。
5月27日時点では、BKシードレスで86果穂をカットしています。
今後は2回目のジベレリン処理前に、さらに房を厳選していく予定です。
(5月30日に行いました)

逆に、自然に整理されて、
👉 「ちょうど良い着粒」
になっている房もあります。
そのため、自分は着粒確認後に、
- 房形
- 粒数
- バランス
- 樹勢との兼ね合い
を見ながら、残す房を決めています。
最初は、
「とにかく多く残したい」
という気持ちが強かったですが、
最近は、
👉 “不要な房を落とすことも大切な管理”
だと感じるようになってきました。

また、現在は1新梢に2果穂付いている枝もあるため、
- 房形
- 着粒量
- 軸の太さ
- バランス
を見ながら、1新梢1果穂へ絞っていきます。

上の写真では、左の房は曲がりくねっていて、全体のバランスがあまり良くなかったためカットしました。
このように房ごとに見比べながら、最終的にバランスよく、きれいな房に仕上がりそうなものを残すよう意識しています。

1新梢に2果穂ついているものは全部で13か所ありました。
せっかくここまで育ってきた房を切るのはしのびない気持ちもありましたが、樹への負担や房の品質を考え、心を鬼にしてカットしました。
なお、1か所だけは「1新梢2房」で残しています。
どうなるのか気になったので、検証も兼ねてそのまま様子を見ることにしました。

ジベレリン処理は、すべての房で行ったつもりでいましたが、確認すると3房だけ処理できていなかったようです。
その房では花ふるいが発生し、粒の肥大もあまり見られませんでした。
今回の様子を見る限り、シャインマスカット は適正な時期にジベレリン処理を行わないと、花ふるいを起こしやすい品種なのかもしれないと感じました。

BKシードレスは5月30日に1新梢1果穂に絞りました。

1新梢に2果穂ついているものは全部で25か所ありました。

1回目のジベレリン処理からさらに果粒が落ち、ほぼ実がついていない房も多くありました。これらは迷うことなくカットしました。

ヌーベルローズは5月31日に1新梢1果穂に絞りました。

1新梢に2果穂ついているものは全部で12か所ありました。

上の写真の房だけ、果粒や果梗部分に気になる汚れのような症状が見られました。
ジベレリン焼けによるものなのか、あるいは病害によるものなのか判断がつかなかったため、念のためその房はすぐに切り取りました。
切り取った房はビニール袋に入れて圃場外へ持ち出し、そのまま処分しています。
原因は特定できていませんが、病害だった場合の感染拡大リスクを考え、早めに対応することを優先しました。
品種ごとの違い
実際に複数品種を育てていると、
👉 同じ管理でも結果が違う
という面白さがあります。

- BKシードレスは庭植え3年目ですが、今年は非常に多くの果穂が付きました。BKシードレスは花ふるいによって自然に粒数が整理されるため、摘粒作業を減らしやすい品種です。一方で、花ふるいが強すぎて粒数不足や不恰好な房も多く発生します。そのため、「摘粒は楽でも房選びが大変な品種」だと感じています。

- シャインマスカットは比較的着粒しやすい印象があります。開花始期に4cm以内で果穂整形を行っていますが、それでも着粒が良く、最終的には少し摘粒作業が必要になりそうです。BKシードレスのように自然整理される感覚は少なく、ある程度は人の手で粒数調整を行う必要があると感じています。

- クイーンセブンは、まだ今年が初なりのため試行錯誤中です。今のところ、着粒後も房にまとまりがあり、比較的きれいな房形になりやすい印象があります。まだ房数も少なく参考程度ではありますが、今後どのような特徴が出るのか観察していきたいと思っています。

- ヌーベルローズもまだ試行錯誤中です。庭植え2年目の若木ですが、今年は20房ほど果穂が付いており、若木の段階でも比較的果穂が付きやすい印象があります。まだ樹も若いため無理はさせず、樹勢とのバランスを見ながら房数を調整し、今後の生育を観察していきたいと思っています。
など、それぞれ個性があります。
まだ栽培経験は浅いですが、
👉 「この品種はこういう傾向がある」
と少しずつ分かってくるのが面白い部分だと感じています。
※シャインマスカットは、2025年の栽培を通して、ジベレリン処理だけでは完全種なし化が難しいことを実感しました。そのため2026年は、完全種なし化を目指して、ジベレリン処理に加えてアグレプト処理も実施しています。
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まとめ
開花〜ジベレリン処理期は、ぶどうの房形を左右する重要な時期です。
特に種無し栽培では、「開花後にどれくらい花ふるいするか」を考えながら花穂整形を行うことが大切だと感じています。最初から完成形を作りすぎると、着粒不足やボリューム不足になることがあります。逆に少し多めに残しておくことで、自然に粒数が整理され、摘粒作業の軽減につながる場合もあります。また、着粒確認後の房選びでは、実際の房形や粒数、樹勢とのバランスを見ながら判断することが重要だと感じています。
まだ試行錯誤の途中ですが、品種ごとの違いを観察しながら、自分の環境に合った管理方法を探っていきたいと思います。
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