2026年7月9日(晴れ)

今回は、ぶどうでハダニの発生を確認したため、「カネマイトフロアブル」を散布しました。
ハダニは体長0.3~0.5mmほどしかない非常に小さな害虫です。葉の裏側に寄生して汁を吸うため、発見が遅れると被害が一気に広がることがあります。
実は昨年(2025年)の7月にも同じような被害が発生しており、今年もほぼ同じ時期に葉へ異変が現れました。
最初は褐斑病ではないかと考えていましたが、詳しく観察した結果、原因はハダニでした。
今回は、その時の防除の様子を紹介します。
※前回の防除ではオンリーワンフロアブルとディアナWDGを混用散布しました。
ぶどうの袋掛け前防除|オンリーワンフロアブルとディアナWDGを混用散布【混用可否も確認】
カネマイトフロアブルとは

今回使用したのはカネマイトフロアブルです。
適応害虫:ハダニ類
※適用作物によって対象となるハダニ類は異なります。
有効成分:アセキノシル 15.0%
アセキノシルはハダニのエネルギー代謝を阻害することで、高い殺ダニ効果を発揮します。
幼虫・若虫・成虫まで幅広い生育ステージに効果が期待でき、残効性にも優れているため、ハダニの密度を長期間抑えやすい薬剤です。
また、既存の殺ダニ剤とは異なる作用機構を持っているため、薬剤抵抗性対策としても利用されています。
ホームセンターでも比較的購入しやすく、家庭菜園でも使いやすい殺ダニ剤です。
今回カネマイトフロアブルを使用した理由

今回、葉の色が徐々に薄く抜け始め、さらに被害が進むと斑点の範囲が広がり、最終的には葉全体が枯れてしまう症状を確認しました。
昨年7月にもハダニの被害が発生していましたが、今年は昨年とは症状の現れ方が少し異なっていたため、最初は褐斑病か葉焼けではないかと考えていました。
収穫も近かったことから、できれば収穫までは農薬散布を控えたいと思い、症状の出た葉を取り除きながら様子を見ることにしました。
しかし、その後も茶色く枯れてくる葉が少しずつ増えてきました。

「病気だけではないのでは?」と思い、取り除いた葉を一枚ずつじっくり観察してみると、葉裏にうっすらとクモの糸のようなものを発見しました。

さらによく見ると、葉の裏側には無数の細かい糸などが確認できました。ハダニは非常に小さいため、葉の表面から見ると病気と見間違えることがあります。
最初は褐斑病や葉焼けだと思っていましたが、原因を確認できたため、カネマイトフロアブルで防除することにしました。
※褐斑病と思われる症状が出たときオンリーワンフロアブルを散布しました。
雨よけブドウでも病害発生?褐斑病を疑いオンリーワンフロアブルで対策
被害葉は散布前に除去

薬剤を散布する前に、被害が確認できた葉はできるだけ取り除きました。
今回の目的は、すでに傷んでしまった葉を回復させることではなく、新たな被害の拡大を防ぐことです。
あらかじめ被害葉を除去しておくことで、その後に現れる症状が散布前からあった被害なのか、新たに発生した被害なのかを判断しやすくなります。

取り除いた葉は最終的にビニル袋2袋分にもなりました。
特に被害が大きかったのはクイーンセブンとヌーベルローズで、シャインマスカットやBKシードレスより葉の傷みが目立ちました。

また、被害葉を取り除いたことで棚内の風通しが改善され、今まで葉で覆われていた部分にも直射日光が入るようになりました。
樹勢への影響は多少気になりますが、被害の拡大を防ぐためには必要な作業だったと考えています。
希釈倍率と作り方
今回は合計8Lの薬液を作成しました。
希釈倍率:1000倍
- 水1Lに対して1mL
今回は葉裏への付着性を高めるため、展着剤「ダイン」も加用しました。
ハダニは葉裏に寄生するため、薬液が葉全体へ均一に広がるよう展着剤を使用しています。
※展着剤はラベルに記載された使用方法・使用量を守って使用しています。
実際の作り方(2Lの場合)

混用の基本順序
- 展着剤
- 液剤・水溶剤
- 乳剤
- フロアブル剤
- 顆粒水和剤
- 水和剤
今回行った手順は次のとおりです。
① 水を2L入れる
最初に容器へ水を入れます。

② 展着剤ダインを投入
規定量のダインを加え、軽く撹拌します。

③ カネマイトフロアブルを投入
計量したカネマイトフロアブルを加え、十分に撹拌しました。

フロアブル剤なので混ざりやすく、薬液はすぐ均一になりました。

④ 噴霧器へ移す
完成した薬液を蓄圧式噴霧器へ投入しました。
今回は沈殿や詰まりもなく、問題なく薬液を作ることができました。
散布時のポイント|葉裏までしっかり散布

カネマイトフロアブルは浸透移行性のない接触型の殺ダニ剤です。
そのため、薬液が直接付着したハダニに効果を発揮します。
ハダニは葉裏に寄生するため、葉の表側だけでは十分な防除効果は期待できません。
今回は葉を少し持ち上げながら、
- 葉裏
- 新梢付近
- 被害が見られた周辺の葉
を重点的に散布しました。。
散布量の目安
目安としては、
「葉全体がしっかり濡れ、葉裏まで薬液が付着する程度」
を意識しています。
接触型の薬剤は散布ムラがあると十分な効果が得られないため、葉裏まで丁寧に散布しました。
散布条件にも注意
今回は次の条件で散布しました。
- 朝の涼しい時間帯
- 風が弱い時間帯
- 半日以上雨が降らない予報
風が強い日は薬液が飛散しやすくなるため、なるべく風の弱い時間帯を選んでいます。
防除時の安全対策
家庭菜園でも安全対策は重要です。
今回も、
- 長袖
- 長ズボン
- マスク
- 手袋
を着用して散布しました。
また散布後には、
- 手洗い
- うがい
- 衣類交換
も行っています。
安全に家庭菜園を続けるためにも、基本的な防護を心掛けています。
散布後の管理も重要
防除は散布して終わりではありません。
使用後は、
- 噴霧器内部の洗浄
- ノズルの洗浄
- タンク内に薬液を残さない
- 清潔な状態で保管する
ことも大切です。
毎回しっかり洗浄することで、次回も安心して使用できます。
まとめ

今回、葉が茶色く枯れていく症状を確認した際、最初は褐斑病だと思っていました。
しかし、症状が広がってきたため葉を詳しく観察したところ、葉裏にクモの糸のようなものを発見し、ハダニが原因であることが分かりました。

病気と害虫では対策がまったく異なるため、原因をしっかり確認することの大切さを改めて実感しました。
一方で、今回は病気だと思い込んで様子を見てしまったため、ハダニへの対応が少し遅れてしまいました。もう少し早い段階で葉裏まで丁寧に確認していれば、被害をさらに抑えられたかもしれません。
ハダニ対策では、
- 葉裏を定期的に観察する
- 被害葉をよく確認する
- 発生を確認したら早めに防除する
- 同じ系統の殺ダニ剤を連用せず、ローテーション散布を行う
ことが重要だと感じています。
今年は葉の異変には早い段階で気付いていたものの、原因の特定に時間がかかってしまい、その間に被害が拡大してしまいました。
2年連続で7月中にハダニの発生を確認していることから、来年度は発生が本格化する前の7月初旬から葉裏を重点的に観察し、必要に応じて早めに防除を行うことで、被害の拡大を抑えていきたいと思います。
収穫まであと少し。今後は薬剤の効果を確認しながら葉の状態を注意深く観察し、健全な樹を維持できるよう管理を続けていきます。
※前回の作業内容の紹介はこちらから。
ぶどうの袋掛け|有色袋・BIKOO・ポリ傘で病害虫とかすり症対策
