2026年6月12日(晴れ)

ベト病と思われる症状が再び確認されました。
5月30日にオンリーワンフロアブルを散布して以降、病気の広がりはある程度抑えられているように感じています。
しかし、長時間雨が当たり続ける場所では、薬剤の効果が徐々に薄れてきたのか、一部で新たな症状が見られました。
これから梅雨本番を迎えると、降雨によって病気がさらに拡大する恐れがあります。
そこで今回は、ベト病対策としてベトファイター顆粒水和剤とジマンダイセン水和剤を混用して散布しました。
※前回発生した病害に対してはオンリーワンフロアブルで対応しました。
雨よけブドウでも病害発生?褐斑病を疑いオンリーワンフロアブルで対策
発病した場所
今回症状が出たのは、前回と同じ場所に加え、シャインマスカットの一部でも確認されました。
基本的には雨を避けられる環境ですが、問題となったのは雨よけの境目です。
横殴りの雨や地面からの跳ね返りによって、一部の葉が長時間濡れる環境になっていたと考えています。

ただ、前回と異なるのは、オンリーワンフロアブルが効いているためか、病気の進行にある程度抵抗しているように見受けられたことです。
完全に防げているわけではありませんが、病斑の拡大速度は比較的緩やかな印象を受けました。
ベトファイター顆粒水和剤とジマンダイセン水和剤を散布
今回使用したのは、ベトファイター顆粒水和剤とジマンダイセン水和剤です。
ベトファイター顆粒水和剤

適応病害:ベト病
有効成分
- シモキサニル 24.0%
- ベンチアバリカルブイソプロピル 10.0%
それぞれの有効成分が治療効果を有する混合剤です。
高い予防性と持続性で疫病・ベト病の発病を抑えます。
また、高い感染抑制効果により、初期に植物体内へ侵入した病原菌に対しても効果を発揮します。
浸達性・浸透移行性に優れるため、多少の散布ムラがあっても安定した防除効果が期待できます。
ジマンダイセン水和剤

適応病害
- 晩腐病
- 褐斑病
- さび病
- ベト病
- 黒とう病
有効成分
- マンゼブ 80.0%
幅広い種類の病害防除に役立つ保護殺菌剤です。
付着力と耐雨性に優れる独自の製剤技術「レインシールドテクノロジー」により、効果が長く持続します。
なお、この2種類の薬剤は近所のホームセンターでも比較的入手しやすく、価格も手頃です。
※うちベジではホームセンタで購入しやすい薬剤を使って防除を行っています。
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現在発生している病害はベト病の可能性が高いと考えていますが、前回は褐斑病と思われる症状も確認されていました。
今後、梅雨入りによって雨に当たるリスクが高まると同時に、他の病害が発生する可能性もあります。
特にシャインマスカットは黒とう病に弱い傾向があるため注意が必要です。
実際に近所で野ざらし栽培されているブドウでは、黒とう病に侵された果実も見られました。
時期的にも発生する可能性が高いため、幅広い病害に適応のあるジマンダイセンを組み合わせることにしました。
混用について
ベトファイター顆粒水和剤混用事例表(2022年10月作成)を参照すると、ベトファイター顆粒水和剤とジマンダイセン水和剤は「混用しても問題なかった」とされています。
うちベジでは、この情報を参考に混用散布で対応しました。
希釈倍率と作り方

今回は合計4Lの薬液を作成しました。
ベトファイター顆粒水和剤とジマンダイセン水和剤では希釈倍率が異なるため注意が必要です。
ベトファイター顆粒水和剤

希釈倍率:2000倍
- 水2Lに対して1g
ジマンダイセン水和剤

希釈倍率:1000倍
- 水2Lに対して2g
今回は展着剤ダインを使用しませんでした
普段は展着剤のダインを加用していますが、今回は使用しませんでした。
理由は薬剤を混用するためです。
ダインを加えることで薬液の付着性が高まり、条件によっては果粒に薬害が発生する可能性があると考えました。
特にこの時期は果粉(ブルーム)が形成され始める時期です。
万が一薬害によって果粉が傷むと、果面を汚す原因になる可能性があります。
そのため今回は薬剤のみで散布を行いました。
※果粉(ブルーム)は、手で軽く触れただけでも取れてしまうほど繊細なものです。果粉の役割や特徴については、こちらの記事でも紹介していますので、よろしければご覧ください。
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実際の作り方(2Lの場合)
複数の薬剤を混ぜる(混用する)場合は、一般的に溶けやすいものから順番に投入します。
混用の基本順序
- 展着剤
- 液剤・水溶剤
- 乳剤
- フロアブル剤
- 顆粒水和剤 ⇒ベトファイター顆粒水和剤
- 水和剤 ⇒ジマンダイセン水和剤
今回実際に行った手順は以下の通りです。
① 水を2L入れる
最初に容器へ水を入れます。
② ベトファイターを投入

ベトファイターは水に入れると顆粒の状態のままゆっくり沈んでいきます。
さらっと溶ける感じではなく、しっかり撹拌する必要があると感じました。
③ ジマンダイセンを投入
ベトファイターが十分に混ざったことを確認してからジマンダイセンを加えます。
比較的溶けやすいですが沈殿しやすいため、薬液が均一になるようよく混ぜました。

④ 噴霧器へ移す
完成した薬液を蓄圧式噴霧器へ投入しました。
溶け残りもなく、問題なく薬液を作ることができました。
散布時のポイント

ベトファイターは浸透移行性があり、葉の内部に侵入した病原菌にも効果が期待できる薬剤です。
一方、ジマンダイセンは浸透移行性のない保護殺菌剤で、葉や果実の表面に付着して病原菌の侵入を防ぐ役割があります。
それぞれ性質が異なるため、混用することで予防と治療の両面から病害対策を行うことができます。
散布量の目安
房が付いていない雨の当たりやすい場所では、葉全体がしっかり濡れ、薬液が滴る直前まで散布しました。
一方、房が付いている場所やその周辺では、果房への影響を考慮し、約50cm離れた位置からふんわりと薬液が付着する程度に散布しました。
現在は果粒肥大期で果粉(ブルーム)が形成され始める時期です。近距離から強く散布すると、果粉が落ちたり果皮が汚れたりする可能性があるため注意が必要です。
散布後の様子

散布時には十分注意したものの、今回はベトファイターとジマンダイセンを混用したこともあり、一部の果粒に薬液の跡が残ってしまいました。
ただし、果皮がコルク状になるなどの薬害症状は見られず、品質への大きな影響はないと考えています。
今回の散布を通じて、混用散布は病害防除の効果が期待できる反面、果皮が汚れやすくなる場合があることが分かりました。
そのため、果房に散布する際は、やや離れた位置から均一に薬液が付着するよう心掛けることが大切だと感じました。
また、今後は天候も考慮しながら防除方法を選択したいと思います。晴天が続く予報であれば、果粒肥大期は無理に混用せず、それぞれの薬剤を単独で散布して様子を見る方法も有効かもしれません。
今回は初めての混用散布だったため、不安もありましたが、実際に散布してみたことで薬液の付き方や果房への影響について多くの気付きが得られました。失敗も含めて、今後の栽培管理に生かしていきたいと思います。
散布条件などについて
散布時の天候や時間帯の選び方、安全対策、散布後の噴霧器の洗浄・管理方法については別の記事で詳しく紹介していますので、本記事では割愛します。
※オンリーワンの散布を行った記事はこちらで紹介してます。
雨よけブドウでも病害発生?褐斑病を疑いオンリーワンフロアブルで対策
まとめ
今回、雨よけ栽培にもかかわらず、前回と同じ場所を中心にベト病と思われる症状が再び確認されました。
ただし、前回散布したオンリーワンフロアブルの効果なのか、病斑の拡大速度は比較的緩やかで、病気の進行をある程度抑えられている印象を受けています。
しかし、これから梅雨本番を迎えると、
- 雨による葉の濡れ
- 湿度の上昇
- 新梢や新葉の増加
によって病害が発生しやすい環境になります。
そこで今回は、治療効果が期待できるベトファイター顆粒水和剤と、予防効果が高く幅広い病害に対応できるジマンダイセン水和剤を混用して散布しました。
散布にあたっては十分注意したものの、一部の果粒に薬液による汚れが残ってしまいました。薬害ではないものの、果粒肥大期の散布方法について改めて考えさせられる結果となりました。
今回の経験から、病害防除の効果だけでなく、果房への影響も考慮しながら薬剤の種類や散布方法を選ぶことの大切さを実感しました。この経験を今後の栽培管理に生かしていきたいと思います。
病害防除は一度散布して終わりではなく、
- 発病葉の除去
- 雨の当たりやすい場所の確認
- 定期的な薬剤散布
- 園地内の風通し改善
などを組み合わせて行うことが大切です。
今後も病気の進行状況を観察しながら、収穫まで健全な樹を維持できるよう管理を続けていきたいと思います。
※うちベジでは4品種のブドウを育てています。
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