
2026年のブドウ栽培は、全体として成功といってもよい年になりました。
今年はシャインマスカット、BKシードレス、ヌーベルローズ、クイーンセブンの4品種を栽培。それぞれ収穫までたどり着き、果房の大きさや糖度など、これまでの栽培から成長を感じられる結果となりました。
一方で、病害や裂果、収穫時期の判断など、いくつかの課題も残りました。特に9月中旬から下旬にかけて続いた長雨は、ブドウの品質や収穫時期に大きく影響しました。
今回は、2026年の栽培を振り返りながら、品種ごとの出来栄えと反省点、来年に向けた課題をまとめます。
2026年のブドウ栽培結果
今年栽培した4品種の収穫結果をまとめます。
| 品種 | 収穫重量 | 平均果房重量 | 平均糖度 | 最高糖度 |
|---|---|---|---|---|
| シャインマスカット | 集計後に記載 | 集計後に記載 | 集計後に記載 | |
| BKシードレス | 集計後に記載 | 集計後に記載 | 集計後に記載 | |
| ヌーベルローズ | 集計後に記載 | 集計後に記載 | 集計後に記載 | |
| クイーンセブン | 集計後に記載 | 集計後に記載 | 集計後に記載 |
※収穫重量は収穫した果実の合計、平均果房重量は1房あたりの平均重量です。
数値を整理してから追記します。
展葉ルール
作成中
種なし処理とジベ処理

今年は、種なしにするためのアグレプト(ストレプトマイシン剤)を、シャインマスカットとBKシードレスの2品種に使用しました。
アグレプトの使用時期は、使用方法に「満開予定日の14日前〜開花始期まで」と記載されています。
うちベジでは、処理時期を判断するひとつの目安として、最初の花が咲いた日を基準にしました。
※ここでいう「最初の花」とは、約4cmに果穂整形した後、最初の花が咲いた状態を指しています。
果穂整形については、こちらの記事で紹介しています。
1回目の果穂整形|家庭菜園で試している整形と長さの目安
その結果、シャインマスカットとBKシードレスは、ほぼ種なしの果実に仕上がりました。
ただし、ごくまれに房肩付近で種が入った果粒も見られました。薬液が十分に付着していなかった可能性も考えられますが、原因は特定できていません。
一方、ヌーベルローズとクイーンセブンはアグレプトによる処理を行わなかったため、種ありでの収穫となりました。

今年は4品種すべてで、ジベレリン処理を2回実施し、フルメットも使用しました。
まだ経験が浅く、適期を見極めるのは本当に難しいと感じています。
1回目のジベレリン+フルメット処理は、すべての花が開花し、花冠がほぼ落ちた状態を目安に行いまし
た。1回目ジベレリン処理|アグレプト液剤処理後にフルメット加用で完全種無しを目指す
2回目のジベレリン処理は、1回目の処理から12日後に実施しました。
2回目ジベレリン処理を実施|シャインマスカット・BKシードレス・ヌーベルローズ・クイーンセブンの|1回目から12日後の管理記録

また、今回のジベレリン溶液は、作成後4日以内に使い切るルールで管理しました。
説明書には、効力低下を防ぐため「なるべく調製当日に使い切る」と記載されています。
本来はその都度作成するのが理想ですが、開花時期のばらつきもあるため、溶液作成後、数日に分けて処理を行い、収穫時の果粒の肥大状況にどのような違いが見られるか確認しました。
| 溶液 日数 | 10g | 11g | 12g | 13g | 14g | 15g | 16g | 18g | 19g | 総計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1日 | 3 | 2 | 1 | 4 | 4 | 5 | 3 | 1 | 0 | 23 |
| 2日 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
| 3日 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 6 |
| 4日 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0 | 0 | 6 |
なるべく溶液を作成した1日目に処理したため、処理数には偏りがあります。
今回の結果からは、作成から4日経過した溶液でも、果粒を肥大させる効果はあるように感じました。
また、シャインマスカットについては、摘粒がしっかりできている房ほど、果粒の肥大が良かったという印象を受けています。

上の写真を見ると、房肩の果粒はよく肥大していますが、房先は果粒同士が密接しており、肥大があまり進んでいない様子が見られます。
ジベレリン溶液は調製当日に使い切りたいところですが、フルメットは価格も高く、開花状況に合わせて毎回新しく作るのは、費用面でも悩ましいところです。できるだけ費用を抑えながら、効果的な使用方法を見極めていきたいと思います。
今回、溶液を数日に分けて使用した経験から、花房浸漬では花冠やゴミが混入し、病原菌が広がるリスクにも注意が必要だと感じました。使用する分だけをスプレーボトルに移し、残りは冷蔵保存するなど、衛生面にも配慮が必要とわかりました。
今回は病害が発生しませんでしたが、今後もリスクを抑えながら管理していきたいです。
ジベ焼けが発生

今年はジベレリン処理による、いわゆる「ジベ焼け」も発生しました。
BKシードレスは果実が着色する品種のため、果皮の変化があまり目立ちませんでした。一方、シャインマスカットは果皮がコルク状になり、見た目にもわかる状態になりました。
食味だけでなく、見た目も大切なブドウ栽培。来年は処理時期や果実の状態を確認しながら、ジベ焼けをできるだけ抑えられるようにしたいところです。
お薬による果面の汚れ

6月12日に、疫病やべと病を抑えるため、ベトファイターとジマンダイセンを混用して散布しました。しかし、一部の果粒に薬液の跡が残ってしまいました。
散布直後は果面の汚れが気になりましたが、収穫時期が近づくにつれて、徐々に目立たなくなりました。それでも、シャインマスカットでは薬液の跡が気になる結果となりました。
今回の経験から、果面に汚れが残りやすい薬剤を使用する際は、病害の予防だけでなく、収穫時の見た目も考慮して散布時期を検討することが大切だと学びました。
※混用散布した際の記事はこちらから
ベト病再発か?ベトファイターとジマンダイセンで梅雨前防除
晩腐病が発生

主にBKシードレスで晩腐病が発生しました。写真は、今回もっとも症状がひどかった房です。
ほかにも3房ほど発生しましたが、病害が発生した果粒を取り除くことで、何とか食べられる状態でした。早めに異変に気づき対処することで、収穫できる果実を残せる場合もあります。
袋掛け前にはオンリーワンフロアブルを散布していましたが、収穫時期が近づくと、袋の外から果粒の黒ずみを確認。袋を開けると、果実にカビが生えていました。
BKシードレスは2025年にも晩腐病が発生しており、かかりやすい印象があります。来年は薬剤の使用履歴を踏まえ、異なる作用機構の薬剤も検討しながら、対策を見直したいと思います。
※オンリーワンフロアブル散布の記事はこちらから
ぶどうの袋掛け前防除|オンリーワンフロアブルとディアナWDGを混用散布【混用可否も確認】
縮果症

また、縮果症と思われる症状も発生しました。果粒がしぼんでしまい、着色も進まない状態です。見た目だけでなく、収穫できる果実が減ってしまうことも課題となりました。
摘粒不足による裂果

房の内側にある果粒は摘粒したつもりでしたが、この房では取り残しがあったようです。
房づくりの段階では問題なさそうに見えた果粒も、肥大するにつれて内側に入り込み、気づいたときには取り除くのが難しくなっていることが何度かありました。
また、BKシードレスは果粒の先端から裂果し、果汁が出た部分からカビが発生して、周囲へ広がることがわかりました。
収穫前の裂果と房づくりの反省
今年のシャインマスカットは、目立った病害の発生もなく、比較的順調に育ちました。
しかし、収穫前に一部の房で果粒が裂け、カビが発生して腐ってしまう問題がありました。

原因として考えられるのは、果粒が大きくなったあとに、房の形を整えようとしてハサミを入れたことです。作業時に果皮を傷つけ、その傷口から裂果やカビが発生した可能性があります。
果粒が大きくなってからの房づくりは、思っていた以上に慎重さが必要だと感じました。
来年は、果粒が混み合う前に房の形を整え、収穫直前の無理なハサミ入れをしないようにしたいと思います。
果梗のツノ処理

果軸から枝分かれし、ぶどうの果粒につながっている細い柄の部分を「果梗(かこう)」といいます。
摘粒の際は、果梗がツノのように飛び出さないように処理します。写真では処理が不十分で、果梗が隣の果粒を圧迫している状態です。
このまま果粒が肥大すると、圧迫によって裂果につながる可能性があるため、摘粒時には注意が必要であることがわかりました。
9月の長雨で発生した裂果
今年の栽培で大きな影響を受けたのが、9月中旬から下旬にかけての長雨です。

シャインマスカットでは、果粒に半月状の割れ目が複数できているのを確認しました。BKシードレスでも、果粒の先端が裂け、傷口にカビが発生しているものがありました。

果実が成熟していく時期の長雨は、裂果や腐敗につながるリスクがあります。
特に、雨よけ設備を設置していても、雨の吹き込みなどを完全に防ぐことは難しく、天候の影響を受けることを改めて実感しました。
来年は、雨樋を強化して、なるべく雨水を圃場外に排水させる環境を整えたいと思います。
収穫時期と糖度の課題

今年、鉢植え2年生のクイーンセブンは8月上旬に収穫できました。
一方、シャインマスカット、BKシードレス、ヌーベルローズの3品種は、9月の長雨の影響もあり、糖度がなかなか上がりませんでした。試食しても水っぽさが残り、十分においしいと感じられる状態ではなかったため、収穫を急がず、つまみ食いしながら糖度が上がるのを待つことにしました。
そして9月下旬、糖度18%以上の房が採れるようになり、順次収穫しました。

今年の大きな反省点は、収穫時期を見極められず、つまみ食いを繰り返してしまったことです。その結果、房肩部分がスカスカになり、房全体の形にも影響してしまいました。
来年はつまみ食いをぐっとこらえ、9月中旬頃から糖度を確認しながら、収穫時期を見極めていきたいと思います。
2026年の反省と来年に向けた課題
今年は4品種とも収穫までたどり着き、全体としては満足できる結果となりました。
一方で、振り返ってみると、来年に向けて改善したい点も見えてきました。
- ジベ焼け対策: 果皮がコルク化する症状を減らすため、処理方法を見直す。
- 病害対策:防除スケジュールの見直し、異なる作用機構の薬剤を検討する。
- 房づくりの改善: 摘粒をためらわず、早い段階で房を整える。
- 裂果対策: 長雨による果粒の割れや腐敗を減らすため、雨樋を強化し、排水力を向上させる。
- 収穫時期の判断: 天候に左右されるが、9月中旬頃を目安にする。
家庭でのブドウ栽培は、毎年同じように育てても、天候や病害の発生によって結果が変わります。
今年はうまくいったことも多かった一方、実際に育ててみたからこそ気づけた課題もありました。
まだまだ試行錯誤の途中ですが、今年の経験を来年の栽培に生かしていきたいと思います。
※2026年の防除暦はこちらから。
家庭菜園ブドウの防除暦|初心者でもできる年間病害虫対策
