
秋になると、ブドウの収穫も終わり、ひと息つきたいところです。
ところが、うちベジではここからもうひと仕事あります。
それが、ブドウのお礼肥と土壌改良です。
この作業は、年間を通して私が一番やりたくない作業かもしれません。
とにかく体力を使います。
ただ、来年も元気なブドウを育てるためには欠かせない作業なので、今年も頑張ってやっていきます。
お礼肥について
ブドウは1年間かけて枝葉を伸ばし、花を咲かせ、実をつけます。
収穫が終わった秋には、1年間頑張ってくれたブドウの木に肥料を与え、翌年に向けて養分を補っていきます。
我が家では、11月下旬ごろになるとブドウが落葉し始めます。
落葉が進むと生育も休眠へ向かっていくため、根が活動しているうちにお礼肥を施します。
比較的速く効く化成肥料を使います。
※うちベジでの施肥はお礼肥と発芽前のメリット青の塗布がメインです。
メリット青でブドウの芽出しはそろう?休眠期に塗布した結果と使い方
化成肥料 8-8-8

うちベジのお礼肥には、8-8-8(オール8)の化成肥料を使っています。
チッソ・リン酸・カリの3大要素がバランスよく含まれていて、ホームセンターでも手軽に購入できる肥料です。
施肥量は、1株あたり50g。

株元から30cmほど離れた場所に、10cmくらいの深さで円状に軽く溝を掘り、そこへ肥料を入れて土と混ぜ合わせます。
肥料を土になじませておくことで、雨や水やりによって肥料成分が土中へ移動しやすくなります。
肥料を入れたあとは、しっかりと水を与えます。
これで、まずはお礼肥の作業が完了です。

「寒肥」について
続いては、寒肥(かんごえ)です。
寒肥は、冬の間に土の中でゆっくり分解され、春先の生育に合わせて養分が利用されることを期待して施す肥料です。
油かすや牛ふん、鶏ふんなどの有機質肥料が使われることがあります。
お礼肥が「収穫後の樹体を補うための肥料」なのに対して、寒肥は春からの生育に向けて、ゆっくり効かせる肥料というイメージです。
使う寒肥は「牛ふん堆肥」

今回購入したのは、半田牛ふん堆肥(完熟)です。
成分は、
- 窒素:3.05%
- りん酸:3.75%
- カリ:5.85%
となっています。
牛ふんを使う理由は、シンプルです。
安くて、量が多いから。
鶏ふんと比べると肥料としての効き方は比較的穏やかですが、ゆっくりと分解されていくため、秋のこの時期に使う資材として我が家では重宝しています。
今回は牛ふん堆肥に加えて、ペレットタイプの寒肥とカルシウム剤も入れます。

ペレットタイプの寒肥

ペレットタイプの寒肥の成分は、
- 窒素:2.0%
- りん酸:5.0%
- カリ:3.0%
- マグネシウム:1%
となっています。
牛ふん堆肥だけではなく、こちらも合わせて使用します。

カルシウム剤も投入

そして、もうひとつ使用するのがカルシウム剤です。
2025年、シャインマスカットでは糖度の上昇に伴って、かすり症が発生しました。
「かすり症」とは、果皮へのカルシウムの供給不足や、窒素・カリウムの過剰によってカルシウムの吸収が妨げられることなどが、発生要因の一つとされています。
ブドウの糖度が上がってくる時期に、果皮に褐変したシミのような症状が現れ、見た目が悪くなります。
そこで、2025年の秋からカルシウム資材を取り入れています。
その結果なのか、2026年は一房もかすり症が発生しませんでした。
もちろん、かすり症にはさまざまな要因が考えられるため、この資材だけが原因で改善したとは言い切れません。
それでも、前年との違いとしてカルシウム資材を使ったことは、我が家ではひとつの変化でした。
成分としては、名前の通りカルシウムがメイン。
成分表を見ると、カルシウム以外にも硫黄、リン酸、カリ、マグネシウム、マンガン、ホウ素、鉄などが含まれています。
うちベジの庭は、もともと畑だった土地ではありません。
そのため、土壌中の微量要素が十分ではない可能性も考え、多少なりとも補給になればと思って使用しています。

今回入れる量
今回使用する量は、
- 牛ふん堆肥:約5kg
- ペレットタイプの寒肥:約500g
- カルシウム剤:約20g
です。
あくまで我が家での使用量です。
土壌の状態や樹の大きさなどによって適量は変わるため、これがすべての家庭に適した量というわけではありません。
そして、ここからが「うちベジの大変なところ」です。
寒肥を施すための土壌改良
我が家の庭は、もともと畑だったわけではありません。
家を建てる際に建築土が入れられ、土地を平らにするために転圧されています。
そのため、地面はかなり固く締まっています。
さらに、掘ってみると土だけではなく、大小さまざまな石も混ざっています。
そんな場所にブドウを植えているので、ブドウの成長に合わせて、根がしっかり張れる土壌を少しずつ広げていく必要があります。
これが、うちベジで行っている土壌改良です。
1年ぶりに防草シートをめくる

今回は、1年ぶりにブドウの周りに敷いていた防草シートをめくってみました。
見てわかるように、地面はしっかり締まっています。
試しにスコップを少し差し込んでみますが……
硬くて、なかなかスコップが入りません。
ここから少しずつ力をかけながら、ガンガンと粘り強く掘り進めていきます。
目標は、深さ約30cmです。
掘れば掘るほど石が出てくる

固く締まった地面を少しずつ掘り進めていくと、次から次へと石ころが出てきます。
この石ころは、ブドウの根が伸びていくときの邪魔になるため、できるだけ取り除いていきます。

掘り起こした土は、そのまま使うのではなく、ふるいにかけます。
ふるいを使って、土と石をある程度選別していきます。
掘るだけでも大変なのに、その後にふるいにかける作業まであるので、かなりの重労働です。

1m×1mでも、かなり大変

今回、土壌改良を行う範囲は、1品種あたり1m×1mほど。
深さは約30cmです。
面積としては、それほど広くありません。
それでも、固く締まった地面をスコップ1本で掘り起こし、石を取り除き、ふるいにかけていくとなると、かなりの時間と体力が必要になります。
一度に全部やろうとすると、翌日は体中がバキバキです。
そのため、うちベジでは無理をせず、1品種ずつ、少しずつ土壌改良の範囲を広げています。
一気に畑を作るのではなく、ブドウの根がしっかり張れる場所を徐々に増やしていく方法です。
ブドウの根の張り具合

ここまでスコップで掘っていると、
「ブドウの根を切ってしまわないの?」
と思うかもしれません。
私自身も少し心配でした。
ところが、実際に掘ってみると、土があまりにも固く締まっているためか、ブドウの根は思ったほど広がっていませんでした。
地表近くに、ひょろひょろっとした根が確認できる程度。
今回掘った範囲では、木に大きな影響を与えそうな太い根は、ほとんど見られませんでした。
とはいえ、根を傷つける可能性はあるので、今後も根の位置を確認しながら慎重に作業していきたいと思います。
肥料を入れる

ある程度、土と石の選別ができたら、ここで牛ふん堆肥や寒肥、カルシウム剤を入れます。
入れた資材を、ふるいにかけて選別した土と一緒にしっかり混ぜ合わせます。
そして、混ぜ合わせた土を掘った場所へ戻していきます。
これで、肥料や堆肥を入れながら土壌改良も完了です。
固く締まっていた土をほぐし、石を取り除き、堆肥などを加えることで、ブドウがこれまでより根を伸ばしやすい環境を少しずつ作っていきます。
1時間もすると手が限界
この作業を1時間ほど続けていると、手のひらには豆ができます。
そして、その豆がつぶれ、皮までめくれてきます。
正直、かなり痛いです。
それでも、
「来年、立派なブドウを作るために……」
と思いながら、ひたすら掘り続けます。
※2026年ブドウ収穫記事はこちらから
【2026年】素人が育てるシャインマスカットの収穫記録
【2026年】素人が育てるヌーベルローズの収穫記録
【2026年】素人が育てるBKシードレスの収穫記録
これで1品種完了

土を掘り、ふるいにかけ、石を取り除き、牛ふん堆肥や寒肥、カルシウム剤を混ぜ、最後に土を埋め戻す。
ここまでやって、ようやく1品種分の作業が完了です。
たった1m×1m、深さ約30cm。
それでも、かなりの重労働です。
次はシャインとBKシードレス
今回の作業は、これでひと区切りです。
ただ、まだ終わりではありません。
次は、シャインマスカットとBKシードレスの対応が待っています。
正直、この作業が年間を通して一番やりたくない作業です。
でも、来年のブドウのために、やるしかありません。
無理をして一気にやるのではなく、1品種ずつ、1m×1mずつ。
少しずつですが、ブドウの根がしっかり張れる土壌を広げていきたいと思います。
収穫が終わった秋も、うちベジのブドウ栽培はまだまだ続きます。
来年、立派なブドウを作るために、今年ももうひと頑張りです。
