
しそやエゴマを屋外で育てていると、必ずといっていいほど出くわすのが青虫です。
今回もエゴマの葉を見ていると、ところどころに虫食い跡があり、葉の周りには小さな黒い糞も見つかりました。
「どこかにいるはず……」
そう思って、葉をよ~く探してみたのですが、肝心の幼虫がなかなか見つかりません。
特に発生初期は幼虫が小さいため、葉の裏などに隠れていると、見つけるのはなかなか難しいものです。
とはいえ、虫食いの被害は少しずつ広がっています。
「このまま放っておくのもな……」
そこで、まずは虫食い跡のある葉を中心に、もう少し詳しく観察してみることにしました。
すると、葉の一部に細い糸のようなものが張られている葉を発見。
さらに、葉が丸まっているものもあります。
これは、ただ葉を食べられているだけではなく、葉の中に幼虫が潜んでいるのかもしれません。
今回の幼虫は「ベニフキノメイガ」?
今回エゴマで確認した症状から調べてみると、ベニフキノメイガの被害に近いようです。
ベニフキノメイガの幼虫がいる葉では、葉に細い糸が張られていたり、葉が巻かれたりすることがあります。
今回のエゴマでも、
- 葉に細い糸(クモの巣状の糸)が張られている
- 葉が丸まっている
- 葉が縮れている
- 黒い粒状の糞がある
- 葉に虫食い跡がある
といった特徴が見られました。
ただ、この時点では肝心の幼虫を見つけることができません。
葉の表側だけでなく、裏側も探してみましたが見つからない……。
小さな幼虫が葉のどこかに隠れているのでしょうか。
毎回、葉を1枚ずつ裏返して探すのもなかなか大変です。
そこで今回は、以前から家庭菜園で使っていたゼンターリ顆粒水和剤を散布してみることにしました。
エゴマにゼンターリを散布してみる

ここで、農薬の登録内容について確認しておきます。

ゼンターリ顆粒水和剤の農薬登録を見ると、作物名に「えごま(種子)」という項目があります。
この場合、ベニフキノメイガに対して1000倍で使用する登録になっています。使用時期は「発生初期、但し収穫前日まで」です。
ただ、今回育てているエゴマは、種子ではなく葉を収穫して食べるエゴマです。
そこで、販売元である住友化学の「つなあぐ」に確認してみました。
お問い合わせから1営業日もすると、
えごまの種子を収穫する場合には「えごま(種子)」の欄が適用され、葉を収穫する場合には「野菜類(キャベツ、はくさいを除く)」の欄が適用される
との回答をいただきました。
つまり、葉を収穫するエゴマについては、「野菜類(キャベツ、はくさいを除く)」の登録内容を確認することになります。
ただし、ここでもう一つ確認しておきたいことがあります。
現在の農林水産省の登録情報を見ると、ゼンターリの「野菜類(キャベツ、はくさいを除く)」には、アオムシ、コナガ、ヨトウムシ、オオタバコガ、シロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウなどが登録されていますが、ベニフキノメイガは記載されていません。
そのため、今回の幼虫については、ベニフキノメイガではないかと考えてはいるものの、この記事では幼虫の種類を断定しないことにしました。
農薬は、作物だけでなく、対象となる害虫や希釈倍率、使用時期などの登録内容を確認する必要があります。
今回の記事では、あくまで「エゴマで青虫による被害が発生し、実際にゼンターリを散布してみた栽培記録」として紹介しています。
農薬を使用する際は、必ず手元の製品ラベルと最新の登録内容を確認してください。
ゼンターリは青虫にどう効く?
ゼンターリは、BT剤と呼ばれる殺虫剤です。
有効成分は、バチルス・チューリンゲンシス菌の生芽胞及び産生結晶毒素です。
ゼンターリは、薬剤が付いた葉を幼虫が食べることで作用するタイプの薬剤です。
そのため、
「葉は食べられているけど、肝心の青虫が見つからない……」
という今回のような場合でも、幼虫が薬剤の付いた葉を食べれば効果が期待されるタイプです。
ただし、散布した直後に幼虫がポロッと落ちてくるような薬剤ではありません。
散布後もしばらくは幼虫が葉の上にいることがあります。
そのため、散布後は幼虫がいるかどうかだけでなく、新しい食害が増えていないかも確認していきたいと思います。
散布後、実際に幼虫を発見!
ゼンターリを散布したあと、改めて穴の開いている葉を重点的によ~く探してみました。
すると……
いました!

幼虫を発見しました。
今回見つけた幼虫は、体長1cmほどで、黄緑色をした細長い幼虫でした。

体には黒っぽい細かな斑点があり、頭部はやや濃い色をしています。
そして、幼虫がいた葉には、これまで確認していた症状もしっかり出ています。
葉には細い糸(クモの巣状の糸)が張られていて、葉も丸まっています。
「やっぱり、この中に隠れていたのか……」
これまで何度か探していたのですが、葉と同じような色なのでなかなか見つけることができませんでした。
今回見つけた幼虫は1cmほどあったので、比較的見つけやすい大きさです。
しかし、これより小さい幼虫だったら、葉の裏に隠れていると見つけるのはかなり難しそうです。
エゴマの葉をよく見ると、幼虫の痕跡がある
今回の観察で、幼虫そのものだけでなく、葉にもいくつか特徴があることが分かりました。
特に気になったのが、細い糸と葉の丸まりです。
幼虫が潜んでいる葉では、葉が少し丸まっていたり、細い糸で葉がつづられているような状態になっていました。
さらに、周辺には黒い粒状の糞もあります。
そのため、幼虫そのものが見つからなくても、
- 葉に虫食い跡がある
- 黒い粒状の糞がある
- 細い糸が張られている
- 葉が丸まっている
といった変化があれば、葉の裏側などに幼虫が隠れていないか確認してみるとよさそうです。
コスパを考えて100gタイプに変更
今回使用したゼンターリ顆粒水和剤は、これまで使っていた箱タイプではなく、100g入りの袋タイプです。
これまでは箱タイプを使っていましたが、家庭菜園で使う量を考えると、100g入りのほうがコストパフォーマンスがよさそうだったので、今回は袋タイプを購入しました。
価格は購入時でおおよそ1,200円程度でした。
100gあれば、家庭菜園で使うにはかなり長く使えそうです。
ただし、箱タイプと比べると少し気になるところもあります。
袋タイプはチャック付きではないため、開封後の保管には少し気を使います。
また、計量スプーンも付属していません。
そこで、うちベジでは以前購入した箱タイプに付属していた計量スプーンを流用しています。
これなら、計量するときにも便利です。
※ゼンターリ顆粒水和剤の箱タイプを使用したときは記事はこちらから。容量は少ないですが、チャック式で計量スプーンが付属しているので、おすすめです。
STゼンターリ顆粒水和剤を散布|ゴーヤで青虫を発見!BT剤で野菜のチョウ目害虫対策

ゼンターリ顆粒水和剤の使いやすさ

ゼンターリ顆粒水和剤は、水に希釈して使用する顆粒タイプの製剤です。
粉剤と比べると粉立ちが少なく、扱いやすいところが気に入っています。
家庭菜園では、薬剤を使う場合でもできるだけ扱いやすいものを選びたいので、この点は使っていて便利だと感じています。
ただ、今回あらためて農薬の登録内容を確認してみて、作物名だけでなく、収穫する部位や対象害虫まで確認することが大切だと分かりました。
「エゴマだから使える」と考えるのではなく、
「種子を収穫するエゴマなのか、葉を収穫するエゴマなのか」
さらに、
「その害虫が登録されているのか」
まで確認する必要があります。
今回のことで分かったこと

今回、エゴマに虫食い跡があるものの、最初は幼虫をなかなか見つけることができませんでした。
ところが、葉をよく観察してみると、細い糸が張られていたり、葉が丸まっていたりと、幼虫が潜んでいそうな痕跡がいくつも見つかりました。
そして、食害のあった葉を重点的に探してみたところ、実際に幼虫を発見。
「こんなところに隠れていたのか」と、あらためて幼虫を見つける難しさを感じました。
特に幼虫が小さいうちは、葉の表側から見ただけではなかなか見つけられません。
今回のように、
「葉に虫食い跡があるのに、青虫が見つからない」
というときは、葉の裏側や丸まった葉の中なども、よ~く確認してみる必要がありそうです。
今回の観察をきっかけに、これからは虫食い跡だけでなく、糸や葉の丸まり、糞などの小さな変化にも注目していきたいと思います。
また、今回のことで、農薬についても「作物が同じなら使える」と単純に考えるのではなく、収穫する部位や対象となる害虫まで確認することが大切だと改めて感じました。
※農薬を使用する際は、必ず購入した製品の最新ラベルと農林水産省の最新の登録内容を確認し、登録された使用方法に従ってください。

散布後の様子

散布から1週間後の様子
ゼンターリを散布してから、1週間ほど経過しました。
その後のエゴマの様子を確認してみると、新しく出てきた新芽を食べられることはなくなっていました。
以前は葉に虫食い跡が増えていましたが、散布後は新たな食害が見られず、葉の状態もだいぶ良くなっています。
幼虫そのものはなかなか見つけにくかったので、最初はどうなることかと思いましたが、今のところ被害の広がりは止まっているようです。
今回のことで、エゴマの葉に虫食い跡があったときは、葉の表側だけでなく、葉の裏側や丸まった葉の中まで確認することが大切だと感じました。
これからも新芽や葉の状態をこまめに観察しながら、また食害が出てこないか見ていきたいと思います。

