2026年7月4日(曇り)

袋掛けは、ぶどうを病害虫や雨から守り、美しい果房に仕上げるための大切な管理作業です。
わが家では袋掛け前に防除を行ったあと、有色袋・BIKOO・ポリ傘を組み合わせて、病害虫対策とかすり症対策を行いました。
昨年は有色袋を使用していたにもかかわらず、シャインマスカットで黄化やかすり症と思われる症状が発生し、BKシードレスでは軽度の晩腐病も確認されました。
そこで今年は昨年の反省を踏まえ、使用する資材や管理方法を見直して袋掛けを実施しています。
今回は、実際に使用した資材や選んだ理由、袋の掛け方まで詳しく紹介します。
※前回の作業内容の記事はこちらから
ぶどうの袋掛け前防除|オンリーワンフロアブルとディアナWDGを混用散布【混用可否も確認】
袋掛けにはどんな効果がある?

ぶどうに発生する病害の多くは、降雨によって伝染します。
特に晩腐病や黒とう病は雨の多い年に発生しやすく、幼果期に感染した病原菌が収穫期まで潜伏して発病することがあります。
そのため、できるだけ早い時期に果房へ傘や果実袋を掛け、雨水を遮ることが重要とされています。
また袋掛けには、
- 雨による病害の予防
- アザミウマ類など害虫被害の軽減
- 鳥害の防止
- 果面の汚れ防止
- 日焼け防止
など、多くのメリットがあります。
家庭栽培でも収穫時の見た目が大きく変わるため、ぜひ取り入れたい管理作業の一つです。
果実袋によって仕上がりが変わる

果実袋は、単に果房を保護するだけの資材ではありません。袋の色や遮光性によって、果実の色づきや糖度、成熟時期に違いが生じます。
一般的な白色袋は光を通しやすいため糖度が上がりやすい反面、シャインマスカットでは果皮が黄化しやすく、かすり症が発生しやすい傾向があります。
一方、青色や緑色などの有色袋は、袋内に入る日射や紫外線をやわらげることで、黄化やかすり症の発生を軽減する効果が期待されています。そのため、美しい緑色の果皮を維持したい場合には、有色袋が選ばれることも少なくありません。
ただし、有色袋は遮光性が高い分、成熟がやや遅れる傾向があり、天候によっては糖度が上がりにくくなる場合もあるようです。
反対に、袋掛けが遅くなると黄化やかすり症を抑える効果が十分に得られないこともあるため、地域の気候や品種、生育状況に合わせて適切な時期に袋掛けを行うことが大切です。
有色袋とは?
有色袋とは、青色や緑色など着色された果実袋のことです。
白色袋に比べて日射や紫外線をやわらげる効果があり、シャインマスカットでは果皮の黄化やかすり症を軽減できる可能性があります。
うちベジで使用した資材

| 資材 | サイズ | 用途 |
| 白色袋 | 205×295 | 病害虫対策 |
| 青色袋 | 220×320 | 病害虫対策、 黄化・かすり症対策 |
| 緑色袋 | 250×350 | 病害虫対策、 黄化・かすり症対策、大型房用 |
| BIKOO-LL | 300×400 | 害虫対策(二重掛け) |
| 緑色ポリ傘 | 300×300 | 日焼け・高温対策 |
資材を選んだ理由
昨年、近所のホームセンターや園芸店も見て回りましたが、販売されていたのは白色袋がほとんどでした。
試しにフクユーのニューエントリープラス大19号を購入しましたが、思っていたよりサイズが小さく、大きく育った房では窮屈になりそうでした。
そこでいろいろ調べた結果、葡萄館ショップ楽天市場店で資材を購入しました。
今回購入したのは、
- 有色青袋 特大窓付(220×320)
- 有色緑袋 超特大(250×350)
- BIKOO-LL 特大(300×400)
- ポリ傘 300×300 サシコミ(緑)
の4種類です。
果実袋だけでもサイズや色の種類が豊富で、ぶどう栽培に必要な資材を一通り揃えることができました。
購入した商品について
シャインマスカットは、なるべく黄化を防ぎ、美しい緑色に仕上げたいと考え、有色袋を選びました。

また、袋掛け後はできるだけ袋を外さずに果房の状態を確認できるよう、青色袋は外から確認できる窓付きタイプを選択してみました。
袋を何度も外してしまうと、病害虫の侵入や果房を傷つける原因になるためです。
超特大サイズは、房が大きく育った場合でも余裕を持って掛けられるように購入しました。
さらに、BIKOO-LLは有色袋の上から被せる二重掛け用として使用しています。
BIKOOとは?

BIKOOは、微細な穴(微孔)が全面に加工された透明のポリプロピレンフィルムで作られており、通気性と防虫性を両立しているのが最大の特徴です。。
果実袋だけでは侵入する可能性があるアザミウマ類などの小さな害虫を減らす効果を期待しています。
ただし、袋内温度が高くなる可能性もあるため、地域の気候や栽培環境に合わせた使い方が重要です。
※前回の作業内容の記事はこちらから
ぶどうの袋掛け前防除|オンリーワンフロアブルとディアナWDGを混用散布【混用可否も確認】
ポリ傘を使用する理由
うちベジでは雨よけ栽培を行っているため、直接ぶどうに雨が当たることはありません。
そのため、病害対策だけを考えれば果実袋だけでも十分かもしれません。
しかし、葉の向きや時間帯によっては直射日光が果房に当たる場所があります。
袋の内部温度が高くなり過ぎると、高温障害や果皮障害の原因になる可能性もあるため、今年はポリ傘も併用して様子を見ることにしました。
少しでも袋内温度を抑えられればと期待しています。
昨年の反省

昨年はBKシードレスで軽度の晩腐病が発生しました。
また、シャインマスカットでは有色袋を使用していたにもかかわらず、果皮が黄化し、かすり症と思われる症状も確認されました。
さらに注意したいのがアザミウマ類です。
成虫でも約0.8mmほどしかなく、肉眼では見つけにくいほど小さな害虫ですが、果粒を吸汁して褐色のシミやコルク化を引き起こします。
発生が多いと穂軸が褐変することもあり、品質低下につながります。
7月後半頃から発生が増えるため、袋掛け前までにしっかり防除しておくことが重要だと考えています。
※袋掛け前の最後の防除記事はこちらから。
ぶどうの袋掛け前防除|オンリーワンフロアブルとディアナWDGを混用散布【混用可否も確認】
今年はBIKOO-LLで二重対策

「防除をして袋を掛ければ安心」と思われるかもしれません。
しかし、果実袋は完全に密閉されているわけではなく、下部には排水用の穴が開いています。

つまり、アザミウマのような小さな害虫は下側から侵入する可能性があります。

そこで今年は、有色袋の上からさらにBIKOO-LLを被せる二重掛けに挑戦することにしました。
BIKOO-LLは、1㎡あたり約17万5,000個(孔径約0.13mm)の微細な孔(微孔)が加工されたポリプロピレン製の果実袋です。写真では分かりにくいものの、実物を見ると袋全体に無数の微孔があることが確認できます。
この微孔によって通気性を確保しながら、アザミウマ類などの小さな害虫の侵入を抑える効果が期待されています。そのため、有色袋だけでは不安だった害虫対策として導入してみることにしました。
一方で、袋を二重にすることで袋内温度が高くなり、蒸れや高温障害が起こる可能性も考えられます。そのため今年は、直射日光が当たりやすい場所にはポリ傘を併用し、果房の状態を観察しながら効果を検証していきたいと思います。
※2026年7月10日 追記
袋掛け後の様子を観察していますが、心配していた袋内の蒸れや、果房から蒸散した水分による水滴(結露)の発生は、今のところ確認されていません。微孔によって通気性が確保されているため、袋内の湿気が適度に逃げているものと考えられます。
ただし、今後は気温がさらに高くなる時期を迎えるため、収穫まで継続して観察し、袋内環境や果房への影響を確認していきたいと思います。
袋の掛け方

袋は果房が中央にくるようにかぶせます。

まず袋上部中央で果梗(軸)を持ち、右手で袋を支えながら左側をすぼめます。

続いて持ち替え、反対側も同じようにすぼめていきます。

最後に左右をまとめて持ち、ワイヤーを軸に巻き付けるように締めて固定します。

このとき、袋上部がしっかり閉じるように意識することがポイントです。
締め方が甘いと雨水や害虫が侵入しやすくなるため、最後に隙間がないか確認しておくと安心です。

さらに今年は、BIKOO-LL 特大(300×400)で袋の上から、BIKOO袋をかぶせました。
緑袋超特大(250×350)を使用していますが、BIKOO-LL 特大(300×400)であれば、すっぽり上からかぶせることができます。こちらの商品にもワイヤーがついていますので、同様にやり方で袋を取り付けます。
※BIKOO袋は、シャインマスカット、ヌーベルローズ、クイーンセブンに使用しました。BKシードレスは皮をむいて食べるため、果面の多少の汚れは気にならないと考え、今回は使用を見送りました。
※果粒の汚れを出してしまったときの記事はこちらから。2026年の反省点です。
ベト病再発か?ベトファイターとジマンダイセンで梅雨前防除
まとめ

ぶどうの袋掛けは、果房をきれいに仕上げるためだけでなく、雨による病害や害虫被害を軽減するためにも欠かせない管理作業です。
一方で、使用する果実袋によって糖度の上がり方や果皮色、かすり症の発生しやすさなどが変わるため、栽培環境や品種に合わせて選ぶことが大切だと感じています。
昨年のうちベジでは、有色袋を使用していたにもかかわらず、シャインマスカットで黄化やかすり症と思われる症状が発生し、BKシードレスでは軽度の晩腐病も確認されました。
そこで今年は、袋掛け前の防除を徹底したうえで、有色袋に加えてBIKOO-LLによる二重掛けやポリ傘を組み合わせ、病害虫対策とかすり症対策の両立に挑戦しています。
この方法がどの程度効果を発揮するかは、実際に収穫してみなければ分かりません。
収穫後には、果皮の色や糖度だけでなく、かすり症や晩腐病、アザミウマ被害の発生状況なども含めて確認し、今回の資材の組み合わせがどれほど有効だったのかを改めて紹介したいと思います。
今回の記事が、シャインマスカットやBKシードレスを栽培されている方はもちろん、有色袋やBIKOO、ポリ傘の導入を検討している方の参考になれば幸いです。
※うちベジでは4品種のブドウを育てています。
【ぶどう栽培のはじまり】|子どもの頃の夢から始まったおうちぶどう栽培

