
今日はブドウの誘引作業を行いました。
これまでの「うちベジ」では、芽かきやつるの整理はその都度行っていたものの、誘引については正直ほとんど手をつけられていませんでした。
その結果どうなったかというと――
枝は好き勝手な方向へ伸び、株全体のバランスは崩壊。中には屋根のビニルに当たって、そのまま突き抜けそうな枝も出てくる始末。いわゆる“荒れ放題”の状態になってしまいました。

栽培をしていると、どうしても「芽かき」や「収穫」といった目に見えて変化のある作業を優先しがちです。しかし今回あらためて感じたのは、
枝がまだ柔らかいうちに軽く誘引しておくと、無理な力をかけずに整えやすいということでした。ということでした。
そこで今回は、株の立て直しも兼ねて、しっかりと誘引作業に向き合っていきます。
※芽かきを行った記事はこちらから
ぶどうの芽かき時期とやり方|4年目の初心者が意識しているポイント
使用した誘引テープについて

今回使用したのは、PE製の農業用誘引テープです。
YouTubeを見ていたときに「こんなビニル紐があるんだ」と知り、気になってすぐにホームセンターへ行ってみました。ただ、店頭にあったのは「日光に強い」といった表記のない一般的なビニル紐のみ。屋外で使うことを考えると少し不安があったため、最終的にはAmazonで購入しました(価格は600円台くらい)。
この誘引テープは屋外使用を前提に作られているため、紫外線に強く、長期間使っても劣化しにくいのが特徴です。また、製品によっては虫が嫌う色が採用されているものもあり、簡易的な害虫対策としても一定の効果が期待できます。
一般的なビニル紐だと、屋外で1年ほど使用するとボロボロになってしまうことが多いですが、このテープがどの程度持つのかは、今後しっかり検証していきたいと思います。
※うちベジでは年間防除スケジュールを組んで栽培を行っています。2026年のスケジュールはこちらから。家庭菜園ブドウの防除暦|初心者でもできる年間病害虫対策
選んだポイント
誘引資材には、紐・クリップ・テープなどさまざまな種類がありますが、今回重視したのは次の3点です。
- 値段
- 扱いやすさ
- 耐久性
価格はAmazonで663円(2026年4月)。長さは約300mあるため、家庭菜園レベルであれば1年は十分持ちそうです。
実際に使ってみた印象としては、普通のビニル紐よりもしなやかで扱いやすいと感じました。
例えるなら、
「少し上品なビニル紐」
といった感じで、硬すぎず柔らかすぎず、ちょうどいいバランスです。結びやすさもあり、作業中のストレスが少ないのは大きなメリットだと思います。
誘引の目的はこの3つ

誘引は見た目を整えるための作業と思われがちですが、本質はもっと重要です。
主な目的は次の3つ。
- 日当たりの改善
- 風通しの確保
- 枝折れの防止
枝が重なり合った状態を放置すると、葉同士が影を作り、光合成の効率が落ちます。また、風通しが悪くなることで湿気がこもり、病気のリスクも高まります。
さらに見落としがちなのが「枝折れ」です。
ブドウは成長が進むにつれて枝が長くなり、実がつくことで一気に重量が増します。支えがない状態では、その重みに耐えきれず折れてしまうことも珍しくありません。
つまり誘引は、
「健康に育てるための土台作り」
ともいえる作業と考えています。
誘引で一番怖いのは「基部折れ」
誘引作業で最も避けたいのが、新梢の基部が折れてしまうことです。
特に発生角度が悪い枝を無理に動かそうとすると、負担が集中して簡単に折れてしまいます。
そこで登場するのが「捻枝(ねんし)」という作業です。

これは枝を軽くねじることで柔軟性を持たせ、動かしやすくする方法です。うまく行えば、無理な力をかけずに自然な形で誘引ができます。
ただし、この捻枝には大きな落とし穴があります。
基部から1芽目での捻枝はプロの方も行っている方法ですが、力加減が難しく、慣れていないと負担がかかりやすいと感じました。
私自身は過去に何度も折ってしまった経験があるため、現在は2芽目以降で無理のない位置から行うようにしています。
「無理にやらない」も重要な判断
もうひとつ意識しているのが、
無理に捻枝をしないこと
です。
捻枝というと「しっかりねじる」イメージがありますが、実際にはそこまで強い力は必要ありません。
よく「ポキッと音が鳴るくらい」と言われることもありますが、実際にやってみると枝によって反応はさまざまで、音が鳴らないこともあります。逆に、音が鳴らないからといって無理に力を加えてしまうと、枝が裂けたり、最悪の場合そのまま折れてしまうこともありました。
こうした経験から、今は
👉 音を目安にしすぎない
ことを意識しています。
大切なのは、
軽くストレッチをかけるようなイメージで、少しだけ可動域を広げること。
この程度でも、十分に誘引しやすくなると感じています。
また、枝の状態によっては、あえて捻枝を行わず、そのままやさしく誘引したほうが安全な場合もあります。
大切なのは、
作業をきっちりこなすことではなく、株を傷めないこと。
この意識を持つだけで、無理な力をかける場面はかなり減らせると感じています。
捻枝は便利な反面、やりすぎるとデメリットもあります。
枝をねじることで、水分や養分の流れが一時的に悪くなり、
- 新梢の勢いが弱くなる
- 花ぶるい(花が落ちる)
- 粒の肥大不足
といった影響が出ることもあります。
そのため、
👉 方向に問題がない枝は無理に捻らない
👉 軽く引っ張って配置するだけでOK
このくらいの感覚がちょうどいいと感じています。
品種ごとの誘引の実際
今回の作業では、品種ごとに植えている場所や樹形の違いを考慮しながら、それぞれ対応を変えています。
BKシードレス

上方向に伸ばす仕立てのため、基本は自然な流れに任せつつ軽く誘引。捻枝はほぼ使わず、無理のない配置にしました。

3日もすると、枝が伸びてきます。誘因が必要です。

伸びてきた枝を誘引する際は、すでに使っている誘引テープの位置を調整し、締め直したり少しずらしたりすることで、枝が誘引線に近づくようにしています。
枝が誘引線の内側に入ってくると、その後の誘引作業がかなり楽になるため、あと少しのところで無理に引っ張らず、じわじわ寄せるイメージで管理しています。
シャインマスカット

棚仕立てのため、方向がバラバラ。
屋根のビニルや防虫ネットに当たっている枝を優先的に修正し、下向きの枝は段階的に誘引することにしました。
👉 一気に直さない
👉 2回・3回に分けて調整する
これが折れ防止のポイントです。
うちベジでは、誘引の際にひとつ意識していることがあります。それは、主枝(結果母枝)に対して直角ではなく、斜め45度くらいで誘引することです。

一般的には主枝に対して直角に配置することが多いと思いますが、我が家の栽培環境はスペースが限られているため、そのままだと枝を十分に広げることができません。
直角に誘引すると、どうしても枝の広がりが制限されてしまい、結果的に葉の枚数も確保しにくくなってしまいます。
そこで、少し角度をつけて斜めに配置することで、
- 限られたスペースでも枝を広げやすくなる
- 葉の重なりを減らせる
- できるだけ多くの葉を確保できる
といったメリットを感じています。
あくまで環境に合わせたやり方ではありますが、狭いスペースで栽培している場合には、こうした配置もひとつの方法として有効だと感じています。
クイーンセブン(鉢植え)

スペースが限られるため、範囲を意識しながらコンパクトに配置。
他の品種と重ならないように調整しました。
ヌーベルローズ

無理に誘引を行った結果――
3本を基部から折損しました。
内訳はこんな感じです。
- 1本目:脚立を立てるのが面倒で、背伸びした状態で捻枝 → 折損
- 2本目:新梢の発生角度が悪い中、力のかけ方を誤ってしまい折損
- 3本目:基部の指での固定が甘く、捻りすぎて折損
結果として、3本とも捻枝によるミスでした。
あらためて感じたのは、捻枝はかなり繊細な作業だということです。イメージとしては、無理に力をかけると一気に決まってしまう“関節技”のような感覚に近いと感じました。
さらに今回は、基部付近で剪定していたこともあり、副芽を確保できていない状態でした。
特に上の写真の枝には果穂が2つついており、お試しで様子を見ようと考えていた分、ダメージは大きく、正直かなり落ち込みました。
来年、あらためて芽が形成されてくることに期待しつつ、今後は同じミスを繰り返さないようにしていきたいと思います。
若木は特に折れやすい
今回あらためて感じたのは、
若い木ほど折れやすい
ということです。
昨年もシャインマスカットで同じような失敗をしており、勢いがある分、柔軟性が足りず折れやすい印象があります。
若木の場合は特に、
👉 早めに
👉 軽く
👉 こまめに
この3つを意識する必要があります。
折ってしまった場合の対応

捻枝の最中に枝が折れてしまった場合でも、すぐにあきらめず、テープで補強して再生できるか試してみることが大切だと感じています。
上の写真は、ゆっくり捻枝をかけていたつもりでしたが、枝の半分に亀裂が入り、折れる一歩手前の状態になってしまったときのものです。
すぐに折れた部分を中心に、左右3cmほどを目安にテープで巻き付けて補強しました。
テープを巻いてから3日ほど経過していますが、今のところ枝がしおれることもなく、そのまま成長を続けています。
折れ方の程度にもよるとは思いますが、このようにテープで補強することで持ち直すケースもあるため、一度試してみる価値はあると感じています。
※完全に折れてしまった場合や、乾燥している場合は回復が難しいこともあります。
今後の改善ポイント
今回の反省を踏まえて、今後は
「伸びたら軽く誘引する」
これを意識していきます。
後回しにすると、
- 作業量が少し増える
- 無理な力が必要になる場面が出てくる
- 折損のリスクも上がりやすい
と感じました。
逆に、こまめに対応できれば
- 作業は短時間で済み
- 無理なく調整できて
- 株への負担も少ない
という流れになると思います。
ただ実際には、仕事や家庭のことが優先で、ぶどうはあくまで趣味の範囲。どうしてもまとまった時間は取りにくく、すき間時間での作業が中心になっています。
そのため、理想通りにこまめな誘引ができないことも多いのが正直なところです。
それでも、
「できるタイミングで少しだけでも整える」
この意識を持つだけでも、状態はだいぶ変わると感じています。
まとめ(うちベジでのやり方)
今回の誘引作業を通して、うちベジではこんな点を意識しています。
- 誘引を後回しにすると、枝が少し扱いにくくなる
- 目的は「日当たり・風通し・折れ防止」
- 捻枝は2芽目以降を基本に(慣れてきたら基部を押さえて1芽目も調整)
- 強くねじる必要はなく、ストレッチ程度でOK
- 無理にやらない判断も大切
- こまめに誘引しておくと結果的にラク
あくまでこれは、今のうちベジで試しながら行っているやり方です。
環境や仕立て方によって最適な方法は変わると思うので、
「こういうやり方もあるんだな」くらいの参考として見ていただければ嬉しいです。
※ぶどう栽培を始めるきっかけの紹介記事はこちらから
【ぶどう栽培のはじまり】|子どもの頃の夢から始まったおうちぶどう栽培
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メリット青+芽キズ処理で2026年のブドウの芽吹きはどう変わった?
※うちベジではお庭でぶどう栽培、おうちで水耕栽培を行っています。
水耕栽培の記事はこちらから。水耕栽培
※追加コメント

誘引を行った当日は問題なかったのですが、2日後にしおれている枝を発見しました。よく見ると、基部が傷んでおり、実質的にダメージを受けていた状態でした。
おそらく誘引時に強い力が加わり、その場では問題なく見えても、時間の経過とともにダメージが表面化したものと考えられます。
誘引作業はここが難しく、作業中は問題なくても、2〜3日後に枝が弱る・折れるといったトラブルが起こることがあります。
そのため、
👉 1節1新梢にこだわりすぎず、リカバリー用の枝を確保しておくことが重要です。
今回のケースでは新梢を2本残していたため、ダメージを受けた枝をカバーすることができました。

