ムキタケとクリタケの栽培に失敗|育たなかった原因を振り返る

今回は、ムキタケとクリタケの栽培に挑戦して失敗した記録をまとめます。

これまでヒラタケでは発生に成功しましたが、今回の2種類は思うように進まず、結果として失敗に終わりました。
特にムキタケは、培地に接種してから時間が経っても菌糸の発生が見られず、培地にうまく定着していない様子でした。

きのこ栽培では、温度や湿度だけでなく、きのこの種類に合った培地を選ぶことがとても重要です。今回は失敗の記録として残すだけでなく、そもそもキノコとは何か、なぜ種類によって栽培しやすい材料が違うのかも含めて振り返ってみたいと思います。

※キノコ栽培初心者がヒラタケを発生させた方法はこちらから
ヒラタケ栽培をキットなしで挑戦|初心者が2カ月で発生させた方法

そもそもキノコとは?

キノコは野菜のように見えますが、植物ではなく菌類です。
普段私たちが食べているキノコの部分は「子実体」と呼ばれ、本体は培地や木材の中に広がっている菌糸です。キノコは枯れ木などに多く発生し、木と関係が深いことから「木の子」という呼び方で親しまれてきたともいわれています。

栽培では、まず菌糸が培地の中にしっかり広がることが必要で、その後に条件が整うことで子実体が形成されます。
つまり、表面にキノコが出てくる前の段階で、菌糸がうまく活着し、伸長できるかどうかが成功の大きな分かれ道になります。

今回ムキタケでうまくいかなかったのは、まさにこの最初の段階でした。

きのこは種類ごとに向いている培地が違う

きのこは、どれも同じ材料で育つわけではありません。
種類ごとに自然界で分解しやすい木材や、わら・落ち葉などの植物由来の材料が異なるため、栽培でも相性が出やすくなります。

たとえば、木材を分解して育つキノコは、基本的に木質系の培地との相性が良くなります。
一方で、種類によっては広葉樹系のおがくずが向いていたり、補助的に栄養源を加えたほうがよかったりと、細かい違いがあります。

このため、ヒラタケでうまくいった方法をそのままムキタケやクリタケに当てはめても、同じように成功するとは限りません。
今回の失敗からも、きのこ栽培では「何の菌を使うか」だけでなく、「その菌に何を食べさせるか」も重要だと感じました。

ムキタケとクリタケの特徴

今回栽培に挑戦したムキタケとクリタケは、どちらも野生では木材に発生するキノコです。

■ムキタケ
ムキタケは広葉樹の枯れ木などに発生する食用きのこで、ぬめりのある傘が特徴です。傘の表皮に渋みがあり、皮をむいて調理していたことが名前の由来ともいわれています。
秋に発生する代表的なきのこのひとつで、自然栽培では木材との相性が重要になりそうです。栽培手引きには、ブナ・ミズナラ・サクラ・シラカバなどの広葉樹が使えるとあります。

■クリタケ
クリタケも広葉樹の朽木などに発生することが多いキノコです。
栽培手引きには、コナラ・ミズナラ・クヌギ・クリ・シイ・カシ・ハンノキ・サクラなどの広葉樹が適しているとあります。

どちらも広葉樹との相性がよく、原木を使った栽培に向いていることがわかります。

今回使えた資材

今回、うちベジで準備した材料は以下の3つでした。

■稲わら
軽くて扱いやすく、通気性も確保しやすい素材で、ホームセンターなどで購入できます。
ただし、木材を主に分解するタイプのキノコでは、十分に適した培地にならないことがあります。

■おがくず
おがくずは、木を栄養源にするキノコの栽培でよく使われる素材です。
ただし、木の種類や粒の細かさ、水分量によっては、菌糸の伸び方に差が出ます。
今回はキノコ栽培用のおがくずを用意できなかったため、小動物用床マットとして販売されているものを代用しました。

食べるのには不安な培地

■米ぬか
米ぬかは、きのこ栽培で栄養補助材として使われることがあります。
おがくずだけでは不足しがちな栄養を補い、菌糸の成長を助ける役割があります。
今回は、近所の飲食店でもらってきた米ぬかを使いました。

ただし、米ぬかは栄養が豊富なぶん、キノコ菌だけでなく雑菌やカビも増えやすくなります。
少量ならよい効果が期待できますが、入れすぎたり消毒が不十分だったりすると、かえって失敗につながることもあります。
手軽に使える一方で、扱いには注意が必要だと感じました。

ムキタケで菌糸が発生しなかった原因を考える

2か月後の種菌

今回の失敗で特に気になったのは、ムキタケで菌糸の発生が見られなかったことです。
このことから、いくつかの原因が考えられます。

まず大きいのは、原木栽培用の種菌を使っていたことです。
箱の注意書きにも「本製品は、原木に接種する以外の目的で使用しないでください」と記載がありました。今回は原木を準備することができなかったため、やむなくおがくずや稲わらで代用してみましたが、菌糸の発生すら確認できませんでした。

やはりムキタケには、種菌に合った栽培方法が必要だったのだと思います。
興味深かったのは、培地に混ぜ込んだ種駒に腐敗やカビが見られなかったことです。菌糸は発生しなかったものの、あとから培地の中から種駒を掘り出してみると、傷んでしまった様子はなく、まいたときとほとんど変わらない状態でした。

このことから、種菌そのものがすぐに腐敗したというよりも、培地になじめず、活動を始められなかった可能性があります。
つまり今回は、雑菌に負けたというより、そもそも種菌と培地の相性、あるいは栽培方法そのものが合っていなかったのかもしれません。

うまく育たなかった原因は、種菌の不良というよりも、ムキタケに合わない方法で栽培を試みたことにあったのかもしれません。

クリタケが難しかった理由

途中でカビる

クリタケについては、ヒラタケのような発生には至らなかったものの、初期段階では菌糸が発生しました。
ただ、原木を利用するタイプのため、おがくずや稲わら主体の培地では十分に菌糸が伸びにくかった可能性があります。

稲わら培地では、初期段階から菌糸が発生したものの、徐々に白色から黒っぽく変化し、最終的にはカビが発生してしまいました。
カビは表面付近で見られたため、フタの汚染、わら自体の殺菌不足、あるいは何度も状態を確認するうちに雑菌が入り込んだ可能性が考えられます。さらに、過湿によって酸欠になり、雑菌が繁殖しやすい環境になっていたことも影響したかもしれません。

今回は雑菌の繁殖を防ぐため、米ぬかは添加しませんでした。
それでもカビが発生したことから、衛生管理の難しさを強く感じました。

一方、おがくず培地でも初期段階では菌糸が発生しましたが、菌糸が密生するような状態にはならず、その後の進展も弱い印象でした。
このことからも、クリタケにはより適した樹種や栽培条件が必要なのかもしれません。

菌糸の広がりが弱い

消毒はなぜ大切か

きのこ栽培では、培地そのものが栄養源になるため、きのこ菌だけでなくさまざまな微生物にとっても魅力的な環境になります。
そのため、接種前の培地はできるだけ清潔にしておくことが大切です。

消毒や加熱が不十分だと、雑菌やカビが先に増殖し、きのこ菌の成長を妨げます。
特に米ぬかなどの栄養材を加えた場合は、この影響がより大きくなります。

きのこ栽培では、菌種や培地配合も重要ですが、それと同じくらい最初の衛生管理が成功率を左右するのだと感じました。

今回の失敗からわかったこと

今回のムキタケとクリタケの栽培では、期待した結果は得られませんでした。
しかし、失敗したことで、きのこ栽培は「湿らせた材料に菌を入れれば育つ」という単純なものではなく、種類ごとの適性を考える必要があることがよくわかりました。

また、栽培方法には原木栽培、断面栽培、菌床栽培などがあり、ムキタケやクリタケは原木栽培や断面栽培に適した種菌であることも見えてきました。
種菌の種類と栽培方法が合っていなければ、うまくいかないのも当然だったのかもしれません。

今回の経験から見えてきたのは、次のような点です。

・キノコは菌類であり、本体は菌糸であること
・菌糸が培地にしっかり回ることが最初の重要な段階であること
・種類によって向く培地が違うこと
・米ぬかは栄養補助になる一方で、雑菌リスクも高めること
・消毒や加熱など、衛生管理が非常に大切であること

こうした基本を整理できただけでも、今回の失敗には十分意味があったと思います。

今回、キノコ栽培の「キ」の字も知らない状態で、なんとなく手に入れた種菌を使って栽培を試みました。その中でもヒラタケは、おがくずでも稲わらでも発生させることができました。
このことからも、きのこの種類によって適応力に差があることがよくわかります。

次回は、菌種ごとの相性をさらに意識しながら、培地の材料や配合、消毒方法を見直して再挑戦したいところです。今回の失敗を通して、きのこ栽培の難しさと面白さを改めて実感しました。

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