
今回は「きのこ栽培キット」を使わず、ヒラタケの鋸屑種菌と100円ショップの容器を使って栽培に挑戦しました。キノコ栽培はまったくの未経験からスタート。不安だらけの中、試行錯誤を繰り返しながら、約2カ月でヒラタケの発生に成功しました。
この記事では、実際に行った栽培方法と発生までの流れをまとめて紹介します。
ヒラタケについて
ヒラタケは広葉樹の枯れ木などに発生するきのこで、比較的栽培しやすく家庭栽培でも人気があります。肉厚で歯ごたえがあり、炒め物や汁物など幅広い料理に使えるのが特徴です。
栽培を始めるにあたり
キノコ栽培を始めるにあたって、いくつかの「壁」にぶつかりました。
① キノコの種類選び
スーパーでよく見かけるのは、しいたけ・えのき・マッシュルーム・舞茸などですが、それぞれの栽培環境や難易度まではわかりません。
どのキノコが初心者向きなのか判断できなかったため、まずは「育てやすそうな種類を実際に試してみる」ことにしました。
② キノコ菌の入手
近所のホームセンターでは栽培キットは販売されているものの、キノコ菌単体は見つかりませんでした。調べてみたところ、キノコ菌は以下のような場所で購入できることがわかりました。
- タキイネット通販
- JA
- 専門園芸店
今回はこの中から、タキイネット通販と専門園芸店を利用して購入しました。キノコ菌はホームセンターでは取り扱いが少ないため、ネット通販や専門店を利用するのが確実です。
挑戦したキノコの種類

この時点では、キノコの種類ごとの栽培難易度や栽培方法、適した培地についてほとんど理解しておらず、「なんとなく育てられそう」という感覚で選んで購入しました。
- ヒラタケ(鋸屑菌)
- くりたけ(駒菌)
- むきたけ(駒菌)
培地選び
キノコ栽培初心者の私が、当時知っていた培地は以下の2種類だけでした。
- ほだ木
- おがくず
ただし今回は、
- 入手しやすさ
- コスト
- 室内で管理しやすいこと
を重視し、以下の材料で代用することにしました。
- 稲わら
- 小動物用床材(広葉樹 しらかば おがくず)
「まずはヒラタケを発生させること」を目的に、ホームセンターでも手に入りやすい材料で挑戦しています。

栽培容器
容器は100円ショップ(セリア)のフタ付き容器を使用。側面にホールソーで空気穴をあけ、培養中は乾燥防止のため絆創膏で塞いで管理しました。
結果
まずは今回の栽培結果をまとめます。
| キノコ | 培地 | 結果 |
|---|---|---|
| ヒラタケ | おがくず+米ぬか | 成功 |
| ヒラタケ | おがくず | 栽培中 |
| ヒラタケ | 稲わら | 成功 |
| くりたけ | おがくず | 失敗 |
| くりたけ | 稲わら | 失敗 |
| むきたけ | おがくず | 失敗 |
| むきたけ | 稲わら | 失敗 |
結果として、ヒラタケのみ発生に成功しました。
一方で、むきたけは菌糸の発生に至らず、初心者には難しい結果となりました。
栽培準備(ヒラタケ)

栽培を始めるにあたり、培地の準備を行います。
稲わらはそのままだと鍋からはみ出してしまうため、煮沸消毒しやすいようにハサミでカットしました。
長さをそろえておくことで、しっかりお湯に浸かり、ムラなく消毒できます。

鍋からはみ出ない長さにカットしました。

稲わらとおがくずをそれぞれ鍋に入れ、約10分間煮沸消毒を行いました。
(どの程度行えばよいかは分かりませんが、今回は目安として10分ほどにしています。)
煮沸後はザルにあけて、水気を切りながら粗熱を取ります。

使用したヒラタケ森39号は900cc入りです。
長さ15cm・直径10cmの原木に対して、約30本分(1本あたり約30cc使用)が目安となっています。

容器から出すと、鉛筆の削りかすのようなものが出てきます。
※写真の保存に失敗してしまい、少し見づらいかもしれません。ご了承ください。

培地となる稲わら(おがくず)とキノコ菌を、層になるようにミルフィーユ状に重ねていきます。

最後は押し込むようにしながら、箱いっぱいになるように稲わら(おがくず)をしっかり詰めていきます。
生育の様子(ヒラタケ)
🟢 栽培1日目
これでフタをすれば、準備完了です。
乾燥を防ぐため、穴には絆創膏を貼っておきました。

培地は稲わらを使用しています。
徐々に菌糸が広がり、全体に回り始めてきました。ふわふわとした白い綿菓子のような菌糸が付着しています。

培地はおがくずを使用しています。
稲わらと比べて、やや菌糸の回りが早いように感じます。

培地はおがくず+米ぬかを使用しています。
米ぬかを添加した容器では、菌糸の回りが早く、徐々に菌が固まってきています。

容器を見ると、乾燥防止のために貼っていた絆創膏から、菌糸が溢れているのが確認できます。

徐々に菌糸が広がり、稲わら全体を覆うようになってきました。

菌糸の密度が高まり、全体的に白さが増してきたように見えます。

表面には菌糸がびっしりと広がり、おがくず全体を覆うようになってきました。
🟢 栽培35日目ここからは、キノコが発生した「おがくず+米ぬか培地」の成長過程を紹介していきます。

容器のフタが少し持ち上がっていたため、絆創膏をはがしてみると、キノコの赤ちゃんが発生していました。

容器のフタを開けると、小さなキノコの赤ちゃんがいくつも顔を出していました。
🟢 栽培36日目
フタの穴からキノコを発生させる予定でしたが、全体的に発生が進み、フタが持ち上がってしまったため、フタを外しました。
🟢 栽培37日目
日々の成長が早く、キノコの傘が確認できるようになってきました。
🟢 栽培39日目
キノコが次々と発生し、どんどん成長していくので、毎日見るのが楽しいです。
🟢 栽培41日目
ここからは、キノコが発生した「稲わら培地」の成長過程を紹介していきます。

まったく気が付いていませんでしたが、側面の絆創膏を突き破るようにして、キノコが発生していました。

フタを開けたときの表面の様子はこんな感じです。
生育の様子(ムキタケとクリタケ)

ムキタケとクリタケについては菌糸の発生に至らず、失敗となりました。
詳細は別記事で、原因や過程も含めて紹介する予定です。
収穫と実食

今回、培地に小動物用床材(おがくず)を使用しているキノコは、収穫はしたものの実食は見送りました。理由としては、本来の用途が食用ではなく、添加物が含まれている可能性があるためです。
一方で、稲わら培地については自己責任のもとで実食することにしました。
ただし、栽培環境や資材によっては安全性に差が出る可能性があるため、食用にする場合は十分な注意が必要です。
きのこ栽培で感じたポイント
ヒラタケは初心者でも発生させやすいキノコであることがわかりました。
培地も完璧でなくても発生するため、比較的気軽に栽培を始めることができます。また、乾燥を防ぐために容器をビニール袋に入れ、適度に霧吹きを行うことが大切だと感じました。
一方で、難しいと感じたポイントはキノコの発生操作です。
菌が十分に回った後は、菌かきを行い、菌床表面に水分を補給する必要があります。
しかし、初心者の私には「菌回りが完了したタイミング」を見極めることができませんでした。
そのため、表面が固まってきたタイミングで、霧吹きで多めに水を与えてみました。
その際、一部の菌糸が溶けてしまうこともありましたが、その後約7日ほどでキノコの赤ちゃんが発生してきました。
まとめ
今回は、きのこ栽培キットを使わずに3種類のキノコ栽培に挑戦しました。
ヒラタケは身近な材料でも、工夫次第で発生まで持っていけることがわかり、非常に良い経験となりました。
一方で、今回は「菌糸からキノコを発生させること」を第一の目的としていたため、培地の安全性や品質まで十分に配慮することができませんでした。
その結果、収穫はできたものの、食べることには少し躊躇する結果となってしまいました。
次回は培地の材料や管理方法にもこだわり、安心して食べられる栽培に挑戦したいと考えています。
※キノコ栽培キットを使った生育記事はこちらから
超初心者が挑戦!安売りきのこ栽培キットでエリンギを育ててみた記録

