家庭菜園ブドウの防除暦|初心者でもできる年間病害虫対策

ブドウは病気や害虫が発生しやすい果樹ですが、時期ごとに適切な防除をしておくだけで収穫量は大きく変わります。

私も家庭菜園でブドウを育てていますが、昨年は芽吹き前から収穫までの防除を意識することで、植樹してから3年目で初収穫することができました。

この記事では、「家庭菜園でも実践しやすいブドウの防除暦(年間スケジュール)」を紹介します。


ブドウの主な病気と害虫

防除暦を見る前に、うちベジで実際に発生した病気と害虫をまとめました。

主な病気

  • 黒とう病
  • べと病
  • 晩腐病

※これらは湿気が多い梅雨時期に特に発生しやすいです。

主な害虫

  • ブドウスカシバ
  • コガネムシ
  • カミキリムシ
  • ハダニ類
  • アザミウマ類

※特にブドウスカシバやカミキリムシは、幼虫が枝や幹の内部に入り込んで食害するため、気づいたときには被害が進んでいることがあります。枝元に木くずのようなフンが見られる場合は、内部に幼虫がいる可能性があります。


防除の考え方

防除とは、作物を病気や害虫から守るための対策のことを指します。
しかし、防除は単に農薬を散布するだけではありません。

家庭菜園のブドウ栽培では、病気や害虫が発生しにくい環境を作ることも大切な防除のひとつです。

例えば私は次のような対策をしています。

  • 落ち葉を取り除く(病気の原因を減らす)
  • ネットを使って、害虫が栽培環境に侵入しないようにする
  • 雨よけとなる屋根を設置する
  • 枝を整理して風通しをよくする
  • 害虫を見つけたら早めに取り除く

このように、栽培環境を整えることで病気や害虫の発生を抑えることができます。
特にブドウは雨によって病気が発生しやすいため、雨よけなどの環境づくりが防除の大きなポイントになります。

うちベジでは「病気や害虫が出てから対処する」のではなく、発生する前に予防することを防除の基本と考えています。

とはいえ、農薬をまったく使わずにブドウを栽培するのは難しいと、この3年間の栽培で感じています。そのため、栽培環境を整えることと使用用途や希釈倍率、使用回数を守りながら、必要に応じて農薬を使うことを組み合わせて、病気や害虫の発生を抑えるようにしています。


ブドウ栽培環境

うちベジのブドウは、雨による病気を防ぐため雨よけ栽培をしています。ブドウは雨に当たることで病気が発生しやすい果樹のため、できるだけ雨が直接当たらない環境を作ることが重要です。

私の栽培環境では、単管パイプを使って骨組みを作り、その上に屋根を設置しています。
この屋根のおかげで、通常の雨であればブドウに直接当たることはありません。

もちろん横殴りの雨が降ると多少濡れてしまいますが、屋根があることで病気の発生はかなり抑えられていると感じています。また、栽培スペースは4mmネットで囲い、害虫の侵入をできるだけ防ぐようにしています。

このように栽培環境を整えることも、防除の大切なポイントだと考えています。

4mmネットで害虫の侵入を防ぎます

使用している薬剤

うちベジでは、次のような薬剤を使用しています。

殺菌剤(病気対策)

  • GFベンレート水和剤
  • サンボルドー水和剤80
  • オーソサイド水和剤
  • ジマンダイセン水和剤
  • ベトファイター顆粒水和剤
  • オンリーワンフロアブル

殺虫剤・ダニ剤(害虫対策)

  • フェニックス顆粒水和剤
  • ディアナWDG
  • カネマイトフロアブル
  • スミチオン乳剤

※農薬を使用する際は、必ずラベルに記載されている使用方法・希釈倍率・使用回数を守って使用しています。

※休眠期にベンレート水和剤を散布した記事はこちらから
家庭菜園ブドウの防除|ベンレート水和剤を500倍で休眠期散布した記録


ブドウの防除暦(家庭菜園版)

※防除暦は地域や気候、品種によって多少前後する場合があります。
ここでは家庭菜園で実際に行っている防除スケジュールを紹介していますので、自分の栽培環境に合わせて調整してください。


■1月~2月(休眠期)
・落ち葉の除去

落ち葉の下には虫が越冬しており、春になると活動を始めます。
害虫の発生を減らすためにも、栽培環境をきれいに整えておきます。


■3月(休眠期)
・ベンレート水和剤の散布
(特徴)
花や野菜、果樹の広範囲のカビ性の病気に予防効果と治療効果を兼ね備えた殺菌剤

この時期はまだ芽は出てきていませんが、菌は付着しており芽吹きの時期を待っているかもしれません。そのため、芽が出ていない今の時期から防除のための薬剤散布を行います。


■4月(芽吹き〜新梢成長)
・テデトール(手で取る)

芽が伸び始めると同時に害虫が付き始めます。
うちベジ規模では、毎日のお庭パトロールで発見次第、手で取る方法(テデトール)で対応しています。

※テデトールで対応が難しい場合は、フェニックス顆粒水和剤を使用します。


■5月(開花前)
・サンボルドー水和剤
 (特徴)
各種病原菌に対して、予防効果を発揮する保護殺菌剤です。

花の時期は病気が広がりやすい時期のため、病気を予防する目的で使います。


■5月(開花前後)
・オーソサイド水和剤
(特徴)
カビ類によって起こる広範囲の病気に優れた効果をあらわす保護殺菌剤です。
広範囲の病気にもすぐれた効果をあらわし、植物への薬害が少ない殺菌剤です。

気温の上昇に伴って雨が降ると様々種類の菌が活発化する時期です。適用病害の広い薬剤を使用します。


■6月(開花後〜幼果)
・ジマンダイセン水和剤
(特徴)
幅広い種類の病害防除に役立ちます。付着力と耐雨性に優れる独自の製剤技術「レインシールドテクノロジー」により、効果が持続します。

ジマンダイセンは耐雨性をジマンとしている薬剤です。うちベジでは屋根があり直接雨が当たる環境ではないものの、横からの雨は避けられないことから、少しでも雨に負けない薬剤を取り入れたいと思い使うことにしました。

・ベトファイター
(特徴)
高い予防性と持続性で疫病、べと病の発病を抑えます。
高い感染抑制効果により、初期に植物体内に侵入した病原菌についても効果を発揮します。
浸達性・浸透移行性に優れるため、散布ムラを生じても安定した防除効果が期待できます。

他の方々の防除計画を見ていると、あまり本製品を使われている方は少ないようです。理由としては、毎年使っていると耐性を持つ菌があらわれ、効き目が薄まるからだと思われます。私も薬の効果が薄くなってきた場合は、他の薬剤を検討したいと考えています。

・オンリーワンフロアブル
(特徴)
作物によっては、散布された薬剤は、葉の表面から吸収されて効果発現をするだけでなく、有効成分が植物体内(葉、葉鞘)を浸透移行し均等に分布するので、安定した効果を発揮します。

予防効果と治療効果の両方を有しており、残効性にも優れますので散布適期幅が広く使いやすい薬剤です。使用感は、水にすぐになじみやすく、簡単に希釈できます。薬剤によっては、「幼果期~袋掛けまでの散布は果粉の溶脱や果実の汚染を生じることがあるので、十分注意してください」といった注意書きがあります。オンリーワンフロアブルについて、そのような注意書きはないため、幼果期でも安心して使用できます。

※梅雨の時期は晴れ間が少ないので雨の合間を縫って、作業する必要があります。週間天気と相談しながら、防除を行っています。


■7月(果実肥大)
・ディアナWDG
(特徴)
アザミウマ類、ハモグリバエ類に強い効果を発揮する殺虫剤です。ハマキムシ類の卵から幼虫、成虫まで各ステージに効き、抵抗性害虫にも有効です。

この薬剤を取り入れるまで、ものすごい悩みました。なんて言ったって高い!100g入りで約6000円。しかも希釈倍率5000~10000倍です。どう考えても、個人で使用する場合、有効期限内で使いきれる気がしません。でも、きれいなブドウを収穫したいという気持ちに押され購入しました。

このお薬は袋がけ前のアザミウマ類の防除を目的としています。薬剤が乾いたらその日のうちに袋掛けを行い、害虫や病原菌の侵入を防ぐようにします。

・カネマイトフロアブル
(特徴)
各種ハダニ類に効果が高く、他剤に抵抗性がついたハダニ類にも優れた効果があります。ハダニの各ステージに効き、特に成幼虫に速効性を示します。
植物体への浸透移行性がないので、葉の表裏にむらのないよう均一に散布する。
ハダニ類は繁殖が速く、密度が高くなると防除が困難になるので、発生初期にむらのないようていねいに散布する。
本剤の連続散布はハダニ類の本剤に対する抵抗性を発達させるおそれがあるので、年1回の使用とし、他の殺ダニ剤との輪番で使用する。

ブドウサビダニ被害

2025年にはブドウサビダニとブドウハモグリダニと思われる被害が発生しました。前日までは何もなかった葉に、茶色く絵の具が塗られた状態となっていて驚きました。色々調べて、ダニの被害の可能性が高いと判断し、すぐにホームセンターに走り本薬剤を購入しました。

ブドウハモグリダニ

カネマイトフロアブルは特徴にある通り、浸透移行性がないため、葉の表裏にむらなく均一に散布が大変でした。葉が重なっている場所や、手が届かない場所まで、1枚1枚裏表と丁寧に散布するのに、2時間くらいかかりました。この時、電動の強力な散布機が欲しい!と心から思いました。

また、ハダニ類は繁殖が早く、抵抗性を発達する恐れがあるため、年一回の使用とし、他の殺ダニ剤との輪番で使用するとあるので、今回の散布で殲滅させるべく念入りに行いました。そのかいあって、2025年度はダニ被害は拡大することなく、収まりました。


■8月(収穫期)
・テデトール(手で取る)

コガネムシの食害

この時期は消毒は基本使いません。コガネムシがたまに発生して、葉を食べている場合は、捕殺します。また、捕殺後は葉にフンが残っていないか確認します。コガネムシのフンには他のコガネムシを引き寄せるフェロモン成分を含んでいるため、見つけたらすぐに取り除き、処分します。


■9月(収穫後)
・サンボルドー水和剤
(特徴)
各種病原菌に対して、予防効果を発揮する保護殺菌剤です。

収穫後、葉の病気を予防する目的で使います。収穫後も来年に向けた栄養の生成を葉で行ってもらう必要があるので、病気が発生させない管理を続けることが重要です。

・スミチオン乳剤
(特徴)
草花、庭木、野菜や果樹などを加害する広範囲の害虫に効果のある代表的な園芸用殺虫剤です。

園芸用の殺虫剤といえばスミチオンですよね。白乳色で独特な匂いがあります。


■10月~11月
テデトール(手で取る)

この時期の消毒は基本行いません。カミキリムシを見かけたら捕殺します。うちベジでは4mmネットで囲われている環境なので、園内で見たことはありません。外のネットに張り付いていたことがあるので、侵入される前に捕殺するようにします。


■12月(落葉期)

この時期に完全に葉が落葉しますので、落ち葉はすべて拾い集め処分。害虫が越冬しにくい環境つくりを心がけています。



まとめ

家庭菜園のブドウ栽培では

・雨が直接当たらない環境を作る
・芽吹き前の防除
・梅雨時期の病気対策
・袋掛けによる害虫対策

この4つを意識することで、病気や害虫の被害を大きく減らすことができます。

ブドウは病気が多い果樹と言われますが、防除のタイミングを押さえて管理すれば、家庭菜園でも十分収穫することができます。私も栽培を始めた当初は試行錯誤の連続でしたが、年間の流れが分かってくると管理はかなり楽になりました。

ぜひ自分の栽培環境に合わせて、防除スケジュールを作り、ブドウ栽培に挑戦してみてください。

※ブドウ栽培を始めるきっかけとなった記事はこちらから
【ぶどう栽培のはじまり】|子どもの頃の夢から始まったおうちぶどう栽培

※芽キズ処理の記事はこちらから
【ぶどうの芽出し準備】休眠期に芽キズ処理|萌芽をそろえる家庭菜園の管理方法

※芽出しをそろえることを目的としたメリット青塗布の記事はこちらから
【ぶどうの芽出し準備】休眠期にメリット青を塗布|萌芽をそろえる家庭菜園の管理方法

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